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冬ドラマ名作ベスト3。『不適切~』にも号泣したけど、最高に感動したNo.1は

お別れホスピタル

NHKで放送された、岸井ゆきの主演の土曜ドラマ『お別れホスピタル』(NHK総合)も、相当な名作でした。原作は、沖田×華(おきたばっか)氏の同名漫画。
お別れホスピタル(1)

沖田×華『お別れホスピタル (1) (BIG SPIRITS COMICS)』(小学館サービス)

2018年には清原果耶を主演に、同じく沖田氏原作の漫画をドラマ化した『透明なゆりかご』(同)が大きな話題を集めましたが、脚本家・安達奈緒子を筆頭にしたスタッフが再集結したのが今回のドラマ。1秒たりとも無駄のない構成で、全4回とは思えないほどのインパクトを残しました。終末期の療養病棟を舞台に「死を迎える」ことと、「生きる」ことの意味を問いかけた物語です。

逃れられない心情描写が、重たくも沁みる

「命」という難しいテーマに向き合う患者と患者の家族を、古田新太、泉ピン子、木野花、高橋惠子、きたろう、筒井真理子といった錚々(そうそう)たる俳優陣が演じ、作品の質を押し上げました。そして主演・岸井ゆきのが、療養病棟に勤めて2年となる看護師・辺見歩で患者を支え寄り添う姿を、受けの演技で繊細に表現。
お別れホスピタル(11)

沖田×華『お別れホスピタル(11)(ビッグコミックス)』(小学館)

なかでも特に印象的だったのは、第2話の高橋惠子です。肝臓がん末期の夫を、8年もの間自宅で介護してきた妻を演じていました。命令ばかりだった夫への複雑な感情を抱いたまま、夫はいよいよ苦しみが止まらず鎮静の薬を投与されることに。最後まで妻の名を叫び求める夫に、最期のケアをします。そして耳元でささやくのです。“衝撃のひと言”を。 それを耳にしてしまった岸井の表情も絶妙。「どう死ぬのか」、ひいては「どう生きるのか」という、逃れることのできない命題に向き合おうとする人たちの“心の変化”を丁寧に映し出した本作。沖田×華氏による原作は続いているので、ぜひドラマも続編を制作してほしいです。
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一度は離脱したけど「結局一番よかった」作品は
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