『光る君へ』史実との違いに賛否の声も「気にせずに突っ走っていただきたいです」山崎ナオコーラさん語る
90歳の読者もいる雑誌で「ルッキズム」をテーマにしたら
――昨年、出版された『ミライの源氏物語』が大評判です。もともと茶道の雑誌への連載だったとか。
<そうなんです。最初は毎月、現代語訳の訳者をひとりひとり取り上げて書いていくのはどうかというご依頼でした。ただ、考えていくうち、自分らしい仕事というか、現代社会の中で、『源氏物語』をどう読むかといったほうが良い仕事ができるかも、と思ったんです。
ただ読者には90歳のお茶の先生もいらっしゃる。『ルッキズム』『ホモソーシャル』『トロフィーワイフ』といったことをテーマにしたエッセイとなると、“え?”となるかもしれないから、丁寧に書いて怒られないようにしようと頑張りました(笑)>
――実際には、怒られるどころか、年配の読者の方々にも好評だったと聞いています。
<意外に怒られないんだなと思いました。むしろ“私もそう思っていた”という感想が結構ありました。ご高齢の方でも、『源氏物語』の中に“あれ?”と思うことがずっとあったみたいなんです。言葉にしなくてもずっとモヤモヤを抱えていたと>
社会のアップデートへの貢献には、SNSの存在が大きい

写真はイメージです(以下同じ)
『ミライの源氏物語』著:山崎ナオコーラ 出版:淡交社
Bunkamuraドゥマゴ文学賞
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