「吉野家でビールを飲む人」が増えてほしいと願うワケ。一人飲みして感じた“幸福感”と“2つの課題”
牛肉を食べながらビールを飲むことほど贅沢なことはない。とはいえ、焼肉店の牛肉は高く、なによりグラスサイズのビールでも700円近くする。ただ牛丼チェーン「吉野家」でなら、“牛肉+ビール”の贅沢な時間をコスパ良く味わえるかもしれない。
高田馬場駅前店に足を運ぶ。平日の15時ごろに来店したため客数は1~2人ほど。当然ビールを飲んでいる人は皆無。“多くの人が働いている中でビールを飲む”ということに高揚感と優越感を覚えつつ、ウキウキでメニュー表を開くと違和感を覚えた。
公式サイトのメニュー欄には「生ビール(ジョッキ)」(398円)、「生ビール(グラス)」(222円)となっていたが、今目の前にしているメニュー表には「瓶ビール」(486円)の文字が。とはいえビール自体が無いわけではなく、取り乱すことはなかった。店舗によっては「生ビール(ジョッキ)」を置いているのかもしれないが、まさかの不意打ちにしばし動揺。
気を取り直して改めて「瓶ビール」を注文すると、ますます心をかき乱された。すぐにテーブルに運ばれた瓶ビールはまさかの「サントリー生ビール」。ここ最近スーパーやコンビニで頻繁に見かけるとはいえ、アサヒやキリンが来ると思っていただけにこれまた予想外の角度からパンチをもらった。しかも「サントリー生ビール」に瓶でお目にかかったのは恐らく人生初。もちろん「サントリー生ビール」に不満はないが、ビールを飲むのにここまで心を揺さぶられるとは思わなかった。
「瓶ビール」に加えて、「鉄板牛焼肉皿」(567円)と「キムチ牛サラダ」(657円)というジャンルの異なる牛肉を楽しめそうなメニューを注文。
まず「鉄板牛焼肉皿」は鉄板に乗った牛丼を火の付いた五徳で温めた状態で運ばれてきた。
つまりはチビチビダラダラ飲みながら、熱々のまま牛肉を食べ進めることができる。
ちなみに、火は徐々に弱くなるが、大体15分くらいまでは火がついており、十分な火力だったように思う。牛肉を温かいまま食べることができ、さながら焼肉屋で飲み食いしているような気分。
また味もしっかり“牛肉”を感じた。シャキシャキしたネギとトロトロしたタマネギと一緒に食べると食感も楽しめる。また、一緒についてきた焼肉のタレはとてもジャンクな味わい。タレをめいいっぱいつけ、口の中をしょっぱくしてビールで流し込み、何とも言えない幸福感に満たされた。
まとめサイトには「牛丼屋でビールを飲む人=底辺」といったタイトルのスレッドがいくつもまとめられており、牛丼屋で飲むことは世間的には一部の人から嘲笑される行為なのかもしれない。それでも、財布に気を使いつつ、牛肉とビールを味わうために吉野家で一杯ひっかけてきた。※以下、価格は全て税込です。