原田泰造、3時のヒロイン福田による生活者のリアル表現
1月期、福田麻貴(3時のヒロイン)が『婚活1000本ノック』(フジテレビ)でヒロインを演じて話題になった。婚活する女性のリアリティーがあって女性視聴者の共感を得ると好感触だった。
以前なら、こんな人は実際にはいないというような理想のヒロイン像を、憧れのキラキラのアイドルやザッツ女優が演じていたが、昨今は、もっと身近な雰囲気が親しまれる。そういうときに、お笑い芸人は最適なのだ。

(画像:『婚活1000本ノック』フジテレビ公式サイトより)
生活者のリアル表現の最高峰といっていいのが原田泰造であろう。
同じく1月期の『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか』(フジテレビ)で彼が演じたのは、昭和の価値観に縛られた人物。家でも会社でも煙たがられているおじさんの放つ昭和の暑苦しさから、おずおずと思慮深い人物にアップデートしていく変化の表現は、若い世代も受け入れようとする歴史的建造物のようなムードがあった。

(画像:『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか』フジテレビ公式サイトより)
堀部圭亮、塚地武雅、今野浩喜、朝ドラで役の特徴をはっきり押し出せる演者が活躍
現在放送中の朝ドラ『虎に翼』(NHK)に、自白を強要するこわ~い検察官役で出演している堀部圭亮も、以前は芸人(や構成作家)もやっていたが、いまや俳優としか思えない。朝ドラだけでも、『カムカムエヴリバディ』の荒物屋の主人(とその息子の二役)や『花子とアン』の堅物アナウンサーなど、シリアスな役もユーモラスな役も自在に演じている。
法律事務所所長・雲野役を演じる塚地武雅もかなり俳優色が強い。森田芳光監督の映画『間宮兄弟』では多くの賞を受賞している。コント番組『LIFE!』にも欠かせない芝居のできる芸人と信頼度が高い。

写真提供:NHK
朝ドラのような老若男女が見る番組だと、やっぱり役の特徴をはっきり押し出せる演者が重宝されるのだろう。今野浩喜も朝ドラで重宝されている印象だ。