ロバート秋山らNHK大河で注目「芸人は芝居がうまい」説!その理由は“ゴールの明快さ”にアリ
男性ブランコの俳優業にも期待
彼らは、第170回直木賞を受賞した万城目学のデビュー作を原作にした『鴨川ホルモー、ワンスモア』(脚本・演出:上田誠〈ヨーロッパ企画〉)に男性ブランコが俳優として参加した。 『鴨川ホルモー、ワンスモア』は万城目の『鴨川ホルモー』とその外伝的続編『ホルモー六景』を原作にした、京都の大学生が千年もの歴史ある謎の競技・鴨川ホルモーを繰り広げる青春群像コメディだ。 中川大輔、八木莉可子、鳥越裕貴、清宮レイ(乃木坂46)、佐藤寛太など若手俳優たちのなかに上田誠の主宰する劇団ヨーロッパ企画の面々と男性ブランコやお笑いコンビ・かもめんたる(岩崎う大と槙尾ユウスケ)が参加して、フレッシュさと技巧がうまく混ざった座組で密度が濃い、ノンストップの2時間だった。 浦井は京大青竜会メンバーで双子の三好兄弟の弟を演じ(兄役はヨーロッパ企画・角田貴志が演じた)、双子あるあるで盛り上げた。相方とは違う俳優とのコンビ芸のようなことを行う器用さに唸(うな)った。 平井は京大青竜会メンバーの松永役。原作者も忘れていたというほど影の薄い松永という人物を、前髪ぱっつんの髪型で、ホルモーのポーズを決めるとシュールで、集団のなかで目立ち過ぎず埋もれきらない絶妙な存在感だった。
男性ブランコ、藤井隆 群像劇に美しく溶け込んでいた
お笑い芸人は、お芝居の世界では頼れる傭兵(ようへい)のような存在で、彼らが参加している作品は間違いないといっていいだろう。作品選びの参考にしてみてほしい。 <文/木俣冬>
木俣冬
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami
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