子どもの習い事にいる“トンデモ保護者”にドン引き。親も子も大声で怒鳴られ…
ベテラン風を吹かせる父親
紗代さんが“とんでもない保護者”と言う人は、3年前に上の子も同じチームに在籍させていた父親だそう。
「お兄ちゃんが中学生の時に在籍していたので、最初は『何かあれば聞いてくださいね』という感じで頼りになるなって思っていました。それが、半年後には子どもたちに怒鳴り散らかすパワハラ男になったんです」
少しでも動きが遅い子どもがいると、「おせえんだよ! お前のせいでみんな待ってんじゃねーか」「俺たち、お前らのために休み潰してんだよ! やる気ないならやめろよ」などと大声で罵倒するといいます。
「チームの監督やコーチは、穏やかで優しい感じの人が揃っています。子どもたちがミスをしても何度も伝えたり、課題を持ち帰って自ら考えさせたりといった指導が中心で。それも魅力でチームを選んだ人も多いんですけどね」
ついに保護者にもパワハラが
最初は子どもに対する罵声が目立っていたそうですが、そのうち手伝いにきた他の保護者にまで強く指摘するようになったんだとか。
「試合では、父が審判やスコアを書く担当をするんですね。その時にあの父親と一緒になると、細かく指示をしてくるので本当に大変で……」
少しでも審判の声が小さいと「聞こえない!」と怒鳴ることや、少しでも間違えると「お前、ばかじゃないの?」と試合中に言われることもあるそう。
「グランドの状況では、見えないことや間違えることもあるんです。でも、それを伝えると『お前、言い訳すんなよ。子どもは一生懸命やってんだから』と常に先輩ヅラで、相手のチームもいるのに大勢の前で叱られるんです。もちろん、自分の子もいる前でね」
監督やコーチでさえ声を荒げないチームで、この父親はかなり浮いた存在のようです。
「あの父親だけが昭和の古い感覚なんですよね。パワハラですよね。みんな我慢しながら、なんとか耐えていますが、あの父親がいない時にはつらさを分かち合っています」
「まあ、敵がいるから他の保護者は団結できているのかもしれないですけどね」と、なんとも言えない、複雑な表情で話す紗代さんでした。
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<取材・文/maki イラスト/魚田コットン> 1
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