『千と千尋の神隠し』で抜擢「どこに行ってもハクについて聞かれるのが嫌だった」入野自由明かす
YOASOBIのボーカル・ikuraとしても活動する幾田りらさんと、タレント、モデルとマルチに活躍するあのさんがW主演を務めたことでも話題の『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(以下、『デデデデ』)。
浅野いにおさんの原作コミックを劇場アニメ化した2部作の青春譚の後章『デデデデ 後章』が公開になりました。宇宙からの“侵略者”に脅かされる東京を舞台に、非日常と日常が入り乱れる物語で、後章の鍵を握る少年・大葉圭太の声をあてた入野自由さん(36歳)にインタビュー。
一緒にアフレコしたあのさんの印象や、子役時代から活動している入野さんに、ハク役を務めて最初の代表作となった『千と千尋の神隠し』への思いも聞きました。
――もともと浅野先生のファンだそうですね。
入野自由さん(以下、入野)「『おやすみぷんぷん』や『ソラニン』、浅野先生の作品はもともと大好きで、『デデデデ』も発売当初から読んでたんですが、完結してから一気に読みたくて待ってたんです。そしたら先にアニメ化が発表になって“これは、まずい!”と。“とにかく参加したい!”と、マネージャーに、手当たり次第にオーディションの話を探してもらったんです。そこから直談判に近い感じで受けさせてもらって決まりました」
――嬉しかったでしょうね。
入野「信じられませんでした。僕は作品に参加することが決まった瞬間が一番嬉しいんです。ワクワクしかないですから。実際にやるとなるといろいろ考えることも大変だったりするんですけど、決まった瞬間はとにかくただ嬉しい。『デデデデ』については、より、“信じられない!”という感覚でした」
――重要キャラクターに声をあてましたが、本編には中国語を話すシーンもありました。
入野「3ワードくらいでしたが、事前に音声が送られてきて、それをひたすら聞いて練習しました。3ワードですけど、その3ワードが命取りというか、なんとなくではダメで、ちゃんと自然に、ネイティブに話しているようにしないといけなかったので、現場に行ってからも正しいかどうか、すり合わせてやりました。
僕、耳はいいって言われる方なんです。それで韓国語、フランス語、スペイン語も本当に少しだけですが話せて、“発音がいいね”って誉められることがありまして。だから今回、自分のそういうスキルを生かせたなと思います」
――主人公の門出を幾多りらさん、凰蘭をあのさんが務めました。おふたりの印象を教えてください。
入野「その人の持つ声って、変えることのできないものですよね。それが個性としてものすごく前に出ているというのは、とても羨ましいし、ステキだなと思います。あの声でやるというだけで、ふたりにしかできないキャラクターとして完成しています。声の芝居という点でいうと、声優とはまた違うニュアンスや味が出て来て、それがこのキャラクターに、絶妙な塩梅でいい合い方をしていると感じました。
特に僕が絡みの多かった凰蘭は、声優でも難しい役なんです。それを、あのちゃんはものすごく大胆に、繊細にやられていたと思います」
――あのさんとは、一緒にアフレコされたんですか?
入野「凰蘭との掛け合いはほとんど一緒でした。もちろん慣れていない部分もあったと思うんですけど、すごく勘のいい方なので、回を重ねるごとにどんどん慣れていってました。要求が高くなっているところに対して、苦戦しながらも、よりあのちゃんにしかできない方法と声を使って表現されていたと思います。すごくステキだなと思っていました」
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役を勝ち取り、喜びで「信じられない!」と
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