「餃子の王将」2年間で4度目の値上げを発表。それでもお客が離れない“2つの理由”
餃子だけじゃない。
これまでの値上げ発表時にはX(旧Twitter)上で「きついなぁ」、「最後の砦やったのに」、「餃子300円越えよりライス中200円超えのほうがつらいな」と落胆の声も。
ところが王将、客数は減るどころか、おいしくなったとSNSやテレビ番組などでも話題となり、客数を増やしているのです。
2024年5月15日に発表した2024年3月決算では、売上高1014億100万円(前年同期比9.0%増)、営業利益102億8600万円(28.9%増)、経常利益104億9600万円(14.8%増)、同期の売上高は創業以来初の1000億円を突破しています。
値上げによって客離れが加速するお店とは、いったい何が違うのでしょうか? そこで今回は、王将のメニューからその答えをひも解くことに。餃子だけに依存しないおいしさへの追求がありました。
はじめに結論から言いますと、値上げを続ける王将が客を離さない理由は、餃子はもちろんのこと、提供メニューにおける品質向上にありました。
王将では2023年5月に主要14品目について値上げを実施した際に、合わせてレシピの改良を実施。具体例としては、餃子は同社独自の鉄板に統一し、調理方法を均一化。ニラレバ炒めはレバーの下処理を変更するなどです。
また、昨年11月から“美味しさのscience”をテーマにする「調理知識研修」を新たに開始。特に中華料理を作る上で欠かせない「炒め調理」の科学知識を深めることで、調理人ひとりひとりの技術向上に取り組んでいるそう。
その効果として、実際に王将のメニューをいろいろ食べておいしくなったなという実感を持っている人は多く、その反応はX上でも確かに発見することができます。そこで今回私もいろいろ食べてみることに。そして気がついたのは、2つの料理の圧倒的なおいしさでした。
食文化研究家のスギアカツキです。『食は人生を幸せにする』をモットーに、食トレンド、スーパーマーケットやスタバ、ダイエットフード、食育などの情報を“食の専門家”として日々発信しています。
「餃子の王将」(以下、王将)を運営する王将フードサービスが2024年5月30日、原材料価格や人件費の上昇などを理由に主力メニュー13品を6月21日より値上げすることを発表しました。
餃子1人前(6つ入り)は、西日本で297円(以下、税込)から319円に、東日本で319円か341円に値上げされます。王将は2022~2023年にかけても3度の値上げを行っていて、2022年5月以来、これが4度目の価格改定となります。
4度の値上げも、売上高は創業依頼初の1000億円突破!
王将は、値上げとセットで「レシピ改良」を実施していた
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