「泣いてるところ見ちゃったんだけど」切り出した結果
そして翌日、勇気を出して夏実さんは哲也さんに「昨日の夜、哲也がBLドラマを観て泣いてるところ、見ちゃったんだけど……」と切り出し、自分の気持ちを全て話しました。
「そしたら哲也はすごくビックリして『
違う違う! 恋なんてしてないよ。でもこのドラマにハマっているのは本当で……』と、とても恥ずかしそうにしていましたね」
きっかけは、哲也さんの男友達に「俺の推しの女優さんがこのBLドラマに出るから絶対にチェックしてくれ」と頼まれたことでした。渋々観始めてみると、男女の恋愛ものと違って未知の領域すぎる展開が続きます。かえって自分の経験からくる揚げ足取り的な雑念が入らず、
徐々に心が近づいていく主人公のときめきや、ドキドキを、素直に感じることができ、いつの間にかドラマの続きが楽しみでたまらなくなってしまったのだとか。
「しかもそんな風に没頭できるのは主人公のイケメン俳優さん2人のおかげで、その綺麗な顔立ちと清潔感が恋愛の生々しさを緩和して、なおかつ尊い物語だと感じさせてくれるみたいです。感動した哲也は、
イケメンにはなれなくてもせめて清潔感のある男性になりたいと、まずは洗顔から始めたそうなんです」

※写真はイメージです
そして哲也さんは「もし恋をしたのなら邪魔しないであげたい」という夏実さんの思いに複雑な気持ちを抱いたそう。
「『
そこは、浮気なんてしたら許さない! ってしっかり怒ってよ』と言われて、つい笑ってしまいました。そんな風に思うんだって嬉しくなりましたね」
そしてその日をきっかけに、自然と哲也さんとの会話量が増えていきました。
「今では私もそのBLドラマにハマっているんですが、『哲也も一緒に観ようよ』と誘っても『また泣いちゃうかもしれないから恥ずかしい』と言って嫌がるんですよね(笑)」
2人はドラマに出てきた水族館を聖地巡礼で訪れたりと、一緒に楽しい時間を過ごせるようになったそうです。
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop