――本作は、舘さんと柴田さんの70代とはまったく思えない変らぬ魅力も話題ですが、共演されて思うことはありましたか?
吉瀬:本当にあこがれの存在です。女子から見てもああなりたいと思う。舘さんが「オレは芝居なんてできないんだよ」とおっしゃっていたのですが、もちろん、本当はできているんです。「セリフも覚えられない」とか謙虚におっしゃるんです。でもそう言われると、わたしもホッとする瞬間があって。落ち着くんですよね。
――気遣い、優しさということなのでしょうか。
吉瀬:もともとわたしはモデルからスタートしていて、芝居畑からではないので、お芝居をしていても、どこかそういう想いがあったんですよね。なので、舘さんがそうおっしゃってくださったことに、共感できる部分があったと思うんです。そういうモデルケースが先輩でいらっしゃると、ありがたいと言いますか。
――あこがれとの存在ということですが、ご自身もそういう先輩でありたいですか?
吉瀬:そうですね。あの体形を維持されていて、そしてあの色気です。遊びも得意でしょうから、好きなことをやっていらっしゃると思いますし(笑)、あの年齢までお仕事もずっと続けていられることは、なかなか普通に考えたら難しいと思うんです。でも謙虚で柔軟性がある考えをもっていらっしゃるから、そういうことをサラッと言えてしまう。素敵だなと思います。
<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、
インスタグラムにて写真レポートを行うことも。