春ドラマ名作ベスト3。日曜劇場も壮絶だったけど、“号泣まちがいなし”のNo.1は
“役を生きている”俳優たちと、丁寧な人間描写
ミヤビと、同僚の脳外科医であり婚約者を名乗る三瓶(若葉竜也)の両名はもちろんですが、ミヤビの主治医・大迫教授(井浦新)、同僚の救命医・星前(千葉雄大)、看護師長・津幡(吉瀬美智子)、かつてミヤビに好意をもっていた脳外科医・綾野(岡山天音)といった、彼女を取り巻くキャラクターの人柄や関係性も丁寧に描かれました。一人ひとりの解像度が高く、役者たちが皆、まさに“役を生きている”と感じさせるのです。ミヤビだけでなく、それぞれに抱えているものがある。その不完全さを、愛おしく映し出しています。
不完全さを補い合い、支え合っていく姿に涙
医療ドラマは、医師の技術や難病が治るか治らないかに焦点が当たりがちです。しかし本作では、とにかく人と人が支え合うことの尊さが、登場人物たちの日常を通じて描かれています。「完璧である必要はない。きっと誰かが明かりを灯してくれる。助け合って生きていこう」。そんな風に、視聴者を勇気づけてくれる作品です。 第9話でミヤビの記憶障害の原因が、決して人がメスを入れてはいけない領域・ノーマンズランドにあり、無理に手術をすれば命に関わる状態であることが判明しました。第10話では、葛藤しながらもミヤビの手術ができるよう練習に没頭する三瓶に、ミヤビは「手術をしない」と告げます。それは三瓶に笑顔でいてほしいから。しかし最後には倒れてしまうミヤビ。もうほぼ毎話泣かずにはいられないのですが、6月24日放送の最終回は号泣必至でしょう。ハンカチを握りしめて、ミヤビがまた美味しそうにごはんを食べる姿が観られるように、祈りたいと思います。 ======== この春はドラマの放送枠も増えて、深夜帯も含めると数多くの作品が放送されました。皆さんのお気に入りのドラマはありましたか? もう来週には夏ドラマがスタート。どんな名作が生まれるのか、今から楽しみです。 <文/鈴木まこと(tricle.ltd)> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
鈴木まこと
日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間でドラマ・映画を各100本以上鑑賞するアラフォーエンタメライター。雑誌・広告制作会社を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとしても活動。X:@makoto12130201


