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女子小学生向け書籍『かわいいのルール』が異例の大ヒット…ロングセラーの裏側には“意外な読者層”の存在

12万部のヒット。担当者「はっきり言って、想定外です」

ではいったいなぜ、こんなにも大人に刺さっているのか?編集担当の池田書店の老沼友美さんと広報担当の高木智華子さんに話を聞きました。
『自分をもっと好きになる 【ハピかわ】かわいいのルール』より

『自分をもっと好きになる 【ハピかわ】かわいいのルール』より

――本書は4月下旬と5月上旬にSNS上でバズっていましたね。今回の反響についての率直な感想は? 高木さん「実はこの本は2019年に発売されたもので、初版は1万冊。大ヒットとはいかないまでも安定して売れていた商品だったんですよ。 でも2021年に小学校高学年女子のお母さんたちを中心に『役に立っている』と注文が急増し、7万部近く売れてキラキラ系と呼ばれるこのジャンルでは異例のヒット作になりました。ちなみに現在も順調に売れており、毎年重版がかかって12万部まで伸びています」 ――今回よりも以前に、一度バズったことがあったのですね。 高木さん「はい。でもその時は狙っていたターゲット層に届いたという要因がハッキリしていました。今回のバズりについては……はっきり言って、想定外です」 老沼さん「我々も『どういうことなんだ?』というのが正直な感想なんですよ(笑)。本当に特殊な例だと思います」

見た目改善やダイエットをすすめる内容に「今の時代に合っていないのでは」

――本書をつくろうと思った経緯について教えてもらえますか? 老沼さん「2019年当時は、児童実用ジャンルが飽和状態だったんです。参入していくにあたり、どう差別化するかというところから企画がスタートしました。 当時のキラキラ系は『見た目を可愛くしよう』『ダイエットをしよう』など、周りからどう見られているかを基軸にした内容が多かったのですが、これは今の時代に合っていないのではないかという意見が社内でも出てきたのです」 ――ルッキズム、多様性などの言葉が一般化してきた時期ですね。 老沼さん「今の時代に必要なのは、内面を磨いて、内側から変えていくこと。それが本当の“かわいい”じゃないの?という結論になりました。 今となっては当たり前のことなのですが、以前はこういう発想がなかったんですよね」
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20代男女読者が増加。コロナ禍が関係か
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