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「なぜ夫に怒ってしまうのか?」本当の原因は“怒り”じゃなかった/犬山紙子

怒らない、弱音が吐けるのは、本当にラク!

さて、こんな出来事を書いてから1年半が経った頃。理不尽に怒ることはほぼなくなりました。正当性がある要求も、怒りながらではなく、冷静に優しく話すようになっています。さらには余裕がなくなったときに「甘えたい」とリクエストして夫に話をしたり、友人に弱音を吐くこともできるようになりました。 私は友人に弱い部分を見せるのが本当に苦手だったのです。「重い」とか「迷惑」とか思われるのが怖かったし、そもそも話そうという気にすらならなかったのですが、できるようになると相手も本音を打ち明けてくれて、より仲良くなれました。これは大きな成長です。弱い部分を見せられる友人はパートナーと同じく一生の財産。本音で信頼できる人間が増えたことが本当に嬉しい。

「ただ生きてていい」と認めて欲しかったんだ

私の「認めて欲しい」という欲求は「何かすごいことをしたことを認められたい」ではなくて、「弱さや過去のつらいことを引きずっている自分のことも、友人として、パートナーとして認めて欲しい、ただ生きてていいことを認めて欲しい」ということだったんでしょう。それはすぐにはわからない感覚でした。 いやあ、怒らないでいいっていいですね、私も本当にラクになったのです。正直今、夫とはめちゃくちゃ仲良く信頼しあっています。

<リカバリーのヒント>

1.夫婦の問題は夫婦だけだと俯瞰して見ることが難しいため、第三者のプロの目が入るとよい。そのためには信頼できるカウンセラーを見つけておくこと。とはいえ、マルチやトンデモには引っかからないよう、臨床心理士の資格を持つかどうかなど基準を持って選ぶべき。 2.他罰的、自罰的な性格はパートナーとの関係のなかで問題を起こしやすい。「性格だから」と諦めず、改善を試みる。性格は変えられないわけではない。 <文/犬山紙子 イラスト/劔樹人>
犬山紙子
1981年生まれ。エッセイスト、コメンテーター等としてTV出演も多数。著書に『私、子ども欲しいかもしれない。』『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決策がある』など。2014年に劔樹人さん(ベーシスト、漫画家)と結婚。長女の誕生を期に、2018年、児童虐待防止チーム #こどものいのちはこどものもの を発足。近著に『女の子に生まれたこと、後悔してほしくないから』  @inuningen  @inuyamakamiko
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