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独立を発表した48歳俳優の葛藤。軟弱→屈強キャラに変化も露呈した“もろさ”とは

事務所退所が意味するところは?

『悪の教典』Blu-ray スタンダード・エディション(東宝)

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『陰陽師』と『白い巨塔』という2作で軟弱キャラを演じた伊藤からすると、「海猿」シリーズの仙崎大輔役は、紛れもない新境地に違いなかった。でもそれがどこか形作られたイメージに思えたのはなぜだったろう?  事務所退所に踏み切った伊藤が、「今までのキャリアに自信がない」と言うのが、まさに同シリーズ以降、自らに課せられた屈強なキャラクターのイメージのためではなかったのか。その意味では、『悪の教典』(2012年)のサイコパス教師・蓮実聖司役は、どこか屈強さの脆さを象徴していたように思う。 『TOKYO VICE』(WOWOW、2022年)で演じた汚職刑事役は、いかにも前時代的に男臭い役柄だったが、もはや「海猿」の仙崎大輔のような完全なる正義漢ではなかった。  伊藤英明の出演作品とは、イメージとの葛藤そのものでもある。それらを払拭して、まっさらな、風通しがいい自然な状態に一度立ち戻ること。それが今回の事務所退所が意味するところでないかと思うのだが、どうだろう? <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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