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『虎に翼』31歳俳優がジュノンボーイで受賞していた“意外な賞”。大袈裟な演技で旬が10年以上続くワケ

 戸塚純貴の存在感は、すごい。カメラのピントが合う前から、この人だとわからせてしまうのである。
『青島くんはいじわる』(テレビ朝日)公式サイトより

『青島くんはいじわる』(テレビ朝日)公式サイトより

 毎週土曜日よる11時から放送されている『青島くんはいじわる』(テレビ朝日)に出演する戸塚の存在感が、これまたすごい。いつどこでも、どんな作品でも一貫して大袈裟なスタイルが魅力的なのだ。  イケメン研究をライフワークとする“イケメン・サーチャー”こと、コラムニスト・加賀谷健が、10年以上、“旬状態”が続く戸塚純貴を解説する。

大袈裟な演技が魅力的な戸塚純貴

 俳優の演技にとっての大敵とは、無闇やたらと気持ちを高ぶらせる大袈裟なエモーションだと思う。うまく抑制されていないエモーショナルな演技ほど恥ずかしいものはないのだが、むしろ大袈裟なスタイルを武器にする俳優がいる。  単に武器にするだけでなく、ブルルンと自分の演技のエンジンをかけるためのきっかけにする人。それが唯一うまくいってもいる。もったいぶりたくなるほどに大袈裟な演技が魅力的な戸塚純貴だ。  どの作品でも初登場場面から、我こそはという顔をして出てくる。現在放送中の朝ドラ『虎に翼』では、第4週第16回で登場し、明律大学女子部から本科に上がってきた主人公・佐田寅子(伊藤沙莉)たちをいきなり牽制する轟太一を演じる。

『虎に翼』での愛すべき人物像

 轟は、何とも大袈裟な口調で、「男と女がわかり合えるはずがないだろ」と主張し、得意満面で扇子までひろげる。すると、無二の親友・花岡悟(岩田剛典)が、「口を慎みたまえ」と轟を指差す。口ごもりながらも轟は、目をかっと見開く。  現代の感覚からするととんでもなくカビの生えた思想の持ち主だが、轟という人は一方で、自分が間違っていたなら、潔くそれを認めて、瞬時に相手をリスペクトするようになる。  寅子たちとの交流によって着実にアップデートされていくのである。正義漢も強い。花岡のことを逆に戒めるときだってある。友情に厚い愛すべき人物像を表現する上では、戸塚の大袈裟なスタイルは、最適だ。
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抑制されていた瞬間の演技
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