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窪塚洋介の20歳息子“さすがの佇まい”。父と共通する才能が“本物”だといえるワケ

父と共に映像の代名詞、映画の申し子

親子で「スーツスクエア」初代アンバサダーに就任

(青山商事リリースより)

 演技の感性は調子がいい窪塚だが、同作で彼が演じる柚原蒼汰は、どうも肌の調子が荒れ模様。どうにか肌をきれいにしたい。メイクにも興味がある。でも自分では「そういうの許されるタイプじゃない」と決めつけてかかっている。  これまでに紹介してきた作品の役柄と違って、蒼汰役ではおでこの肌荒れを隠すために前髪で完全に隠している。やぼったい。それを変えてくれるのが、蒼汰の姉である主人公・柚原美紅(高橋ひかる)が最近親しくしているジェンダーフリー男子・高倉イヴ(木村慧人)である。  ガーリーとメンズをその日の気分で着こなして、自分が好きな色合いのメイクでばっちりきめる。蒼汰は自分らしく生きるイヴのカリスマ性を深く敬愛している。第2話、イヴが働くカフェが出展するフリーマーケットにやってきた蒼汰が挙動不審で、イヴを見て「きれい」とおどおど発する場面がいい。  この出会いの場面以来、蒼汰はイヴからいろいろとアドバイスをもらうようになる。第4話、肌荒れのことを相談すると、イヴがメイクをしてくれる。鏡を覗き込んで、初めておでこを出す。その瞬間、映画俳優のスイッチが入ったかのように演技がさえてくる。 美紅が恐るべきモラハラ彼氏・結城悠久(西垣匠)から送られてきた書類に恐怖する第5話の場面。蒼汰が姉の様子を心配しながらもカップ麺をさっと取って部屋を出ていく間合いや視線の動かし方が絶妙である。  たぶん、窪塚はすべてを無意識的にやっている。だから素晴らしい。父も息子も「窪塚」という名字は、映像の代名詞、映画の申し子だ。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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