
個人差が大きいですが、日本では平均初経年齢は12歳前半で、平均閉経年齢は約50歳といわれています。私達は約38年も、女性ホルモンに翻弄されているのです。しかも「一生に分泌される女性ホルモンの量はティースプーン1杯分」。
ひと舐め秒で終わりそうな女性ホルモンのおかげで、生理前便秘や生理前ドカ食いや生理前性欲爆増や生理前苛々鬱々(いらいらうつうつ)など、サイコパスレベルの自分に遭遇しなくてはならないのです。しかも毎月、一定期間、延々と。
“閉経すればそんな苦労はなくなる!”と思いきや、閉経後、安彦さんをおそったのはメンタル絶不調でした。
更年期とは、閉経前5年と閉経後5年をさします。ホットフラッシュやめまいなどがメジャーですが、安彦さんの場合は無気力。なんと「朝起きた時から絶望」という撃沈ぶり。
1週間~10日、お風呂に入らず、顔も洗わず、歯も磨かず、さらに着替えもしない。もはや化石と化した安彦さんを救ったのは、意外や意外、あの行動だったのです。
生命の危機を悟った安彦さんが、新鮮な酸素を吸いに外へ出たある日のこと。めぐりあったのが「死にてぇって思ったら筋肉を殺そう」という書籍のコピーです。

Testosterone (著), 久保 孝史 (著), 福島モンタ(漫画) 『超 筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超・科学的な理由』文響社
安彦さんいわく「ブッ飛んだ本」は『超筋トレが最強のソリューションである(Testosterone著)』(文響社)。
“まるごと死ぬ前に筋肉殺しとく?”というカジュアルなノリだったかどうかわかりませんが、せっぱ詰まった気持ちは私にも痛いほど理解できます。
筋肉殺しに目覚めた安彦さんは、ムカついたらスクワット、何はともあれスクワットを実行。すると、あら不思議。脳内天国状態、筋肉を酷使するとヘヴンズゲートがひらくのです。
へこんだ時も、泣きたい時も、腰を落として5秒停止。体を動かす、というシンプルかつ深い行動に目覚めた安彦さん。たまりにたまった「負のエネルギー」が成仏してくれました。