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朝ドラ『おむすび』賛否あるが…26歳俳優の演技が”マツケンの名演”にも負けないと言える理由

佐野勇斗は意図的ではないということ

『おむすび』© NHK 海風が結にも吹き付ける。前髪がぐわっと吹きあがる。対する翔也のユニフォームの右袖、さらにその下に着ている黒いアンダーシャツがやたらとなびいている。とても気になる。  単に撮影現場が海辺で、風がちょっと強いことから偶然、佐野の袖あたりが風になびいているだけなのだろうが、いやでも何かそれ以上の映像的な効果がうまれている。つまり、(海風は自然のもだから当たり前だが)佐野勇斗にとっては意図的ではないということ。ここが重要である。 『虎に翼』の松山ケンイチは、第1回から意識的に動作を行い、最終回へ向け、細やかな動作(微動)へと極めていた。対する『おむすび』の佐野勇斗は、たぶんまだ無意識のレベル。これが演出意図と噛み合いながら、意識的になった途端、本作はぐっと見ごたえある作品になると思う。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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