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神木隆之介に結婚を申し込む謎の老婆の正体は“79歳名女優”。90年代の名作から変わらない存在感

年少俳優にとっての興行師的な役割

 こうした往年の名優と現行俳優との見事な共演は、近年ではまれな出会いのひとつだと思う。筆者が他に思い付くのは、星由里子と横浜流星が共演した『全員、片想い』の一編「イブの贈り物」(2016年)くらいだろうか。  宮本信子と神木隆之介にしろ、星由里子と横浜流星にしろ、老優が決して脇にまわるわけでもなく、あくまで存在感を前面にしながら年少俳優の魅力を際立たせ、采配する興行師的な役割を担う。  宮本との共演場面ではないが、神木の演技が際立つ場面がある。第1話中盤、働き口を求めて端島にやってきたリナ(池田エライザ)に一目惚れした鉄平が、職員クラブ内で一度だけさっと振り向く瞬間。神木のこの振り向きを宮本が間接的にアシストでもするかのような映画的なきらめきがたしかに宿っているように感じた。 <文/加賀谷健>
加賀谷健
コラムニスト/アジア映画配給・宣伝プロデューサー/クラシック音楽監修 俳優の演技を独自視点で分析する“イケメン・サーチャー”として「イケメン研究」をテーマにコラムを多数執筆。 CMや映画のクラシック音楽監修、 ドラマ脚本のプロットライター他、2025年からアジア映画配給と宣伝プロデュース。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業 X:@1895cu
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