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子どもの奨学金を使い込んだ母。家族をバラバラにした元凶は?

それを聞いて、ライオさんは号泣してしまったという。 ライオマルチ2世沼202412後「はっきりと母を否定されたことが何よりもびっくりでしたし、うれしかったことを鮮明に覚えています。いまでもそうですが、子どもには親を否定することができない。しかし、この状況を客観的に聞いた人にそう言ってもらえたことで、救われた気持ちになりました。 それまでは人に話しても、なかなかわかってもらえない苦しさもありましたし、いっそのこと、手切れ金として母にまとまった金を渡せばいいのかとか、思い詰めていたりもしたので」

夢の住宅、売却計画

いまの状況をなんとかする必要がある。カウンセリングを通じて意識をあらため、ライオさんは兄とともに動き出した。 ライオマルチ2世沼202412後「兄とミーティングを重ね、無心の原因となっている二世帯住宅を売らせることを目標に、情報を共有し始めました。誰に総額いくら借りているのか、ローンのシュミレーションはどうなっているのか。 母に内緒で査定してもらったり、売却したあとの移転先も、いまの仕事や友人環境に影響がないように近くの場所で、趣味の農業もできるような庭があり……本人の意向を聞かないまでも理解を得られるような場所を、真剣に考えました。 売って、買って、引っ越して、さらに本人が希望するような家具もそろえたとしても、おつりがくる。そんなところまで、お膳立てをしました」

親戚一同が大集合

兄と弟で「母がこういう態度に出たら、こう切り返す」というQA集も作り、お互いのマルチに対するスタンスや当日の流れ、役割分担、タイムスケジュールも文書にまとめる。 ミーティングの内容は、すべて議事録に残した。 ライオマルチ2世沼202412後「母が頭の上がらない親戚にも協力してもらい、僕が帰省するタイミングで『売る』という言質(げんち)をとるべく、作戦を練りましたね」 詰められた母が暴走して包丁を持ち出すことまでを想定し、親族にも協力を呼び掛け、その集まりで勝負に出た。まるで、スリリングな契約に向かう、サスペンスドラマのようだ。
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マルチにのめり込んだ本人にも、切実さがある
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自分が身内が友人が沼ったご体験談を募集中です。当連載における沼とは、科学的根拠のない健康法やマルチ商法、過激なフェムケアや自然派思想など、主に健康問題に関わるものにハマることを示します。「女子SPA!」のお問い合わせフォームより、題名に「沼の話」と入れて、ぜひお気軽にご連絡ください(お返事に時間を頂戴する場合もあります)。

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