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秋ドラマで活躍「期待の俳優」ベスト3。“発達障害の青年”熱演の27歳も凄いけど、NHKの“彼”にも釘づけ!

木原勝利/あまりに怖すぎる男

 最後は『3000万』(NHK総合ほか)で、坂本を演じた木原勝利(きはらまさとし)。まず最初にことわっておきたいこととして、そもそも木原は現在43歳だ。加えて、長らく舞台を中心に活動しており、映画にも出演している。俳優としてのキャリアは十分ではあるが、ここ数年でテレビドラマ出演が目立つようになったため、今回はかなり強引ではあるがフレッシュな俳優と括らせてもらいたい。  木原自身にも、木原のファンにも申し訳なさを覚えながらも、今回「今後の活躍に期待したい俳優」に木原を加えた理由は、やはり坂本というキャラの存在感がすさまじかったからだ。坂本は闇バイトの指示役という悪いやつ。再三に渡って主人公の佐々木祐子(安達祐実)を追いつめる姿はあまりにもスリリングだった。

狂気的な演技だけではなく、マイルドな役も見てみたい

 特に印象的だったのが2話。強盗で得た3000万円を持ち逃げしたソラ(森田想)の捜索に難航している実行犯の蒲池(加治将樹)と長田(萩原護)を引き連れて、ショッピングモール内を歩く坂本。多機能トイレの扉を開けて「入って」と微笑む。戸惑いながらも2人は坂本と一緒に多機能トイレに入ると、その直後に嫌な打撃音と蓮池の苦痛の声が聞こえる。するとトイレの扉が開き、坂本は涼しい顔を浮かべて右手の拳から出ている血をハンカチでふき取りながらトイレを出る。  トイレ内の映像はなく、ただただ多機能トイレの扉が映されているだけ。中の様子はわからないが、何が行われていたのかは確実にわかる。あえて見せない演出により、坂本というキャラの怖さを示すシーンだった。とはいえ、坂本よりもガタイの良い蓮池がビビるのも納得できるほどの“強キャラ”もとい“恐キャラ”としての佇まいを木原の表現力があったからこそ、坂本の怖さが何倍にも増長されたことは言うまでもない。今後もドラマで木原の狂気的な演技だけではなく、父親役のようなマイルドな役も見てみたい。  冬ドラマ以降も今回取り上げた3人の俳優の活躍には熱視線を送りたい。 <文/望月悠木>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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