「障がい者の人生好転のきっかけに」ADHD当事者の女性が開発した“障がい者向けマッチングアプリ”。男性から多い“意外な苦情”は
恋愛・婚活コンサルタントの田中亜依です。700万円の費用を投じた10年間の婚活で、600人以上の男性とデートを重ねた末に結婚しました。“本気の婚活経験”を活かし、年間1000人以上の男女の恋愛サポートを行ってきた筆者が、婚活に「リアルに役立つ情報」をお伝えします。
障がい者に特化したマッチングアプリ「IRODORI(イロドリ)」の利用が広がっています。障がいを持つ方の恋愛では、障がいについて相手に打ち明ける際に困難を抱えるケースも多いといわれています。IRODORIは、「障がいを打ち明けるハードルがそもそもないアプリを作ろう」と開発されました。
運営代表の結城伊澄(いずみ)さんと、共同運営者の中西さんにお話を聞きました。
結城さんは製薬会社の営業として働いていた頃、医師や障がいを持つ方から障がいについての話を聞く機会がありました。障がいを持つ方が心を許せる友人や恋人を作る難しさについても、耳にすることが多かったといいます。
また、結城さんご自身も発達障害であるADHD(注意欠如・多動性障害)の可能性を指摘されたことがあり、同じように悩みを抱えた人たちが人生を好転させるようなサービスを作りたいと思ったことからIRODORIが生まれました。
――このアプリを作るにあたって、障がいを持つ方の出会いや結婚について、どのような課題を感じていましたか?
結城さん(以下、結城):障がいの特性に対する理解という点が、やはり課題としてありましたね。いいなと思える人に出会った時に、自分の障がいについて、どのタイミングでどういう形で伝えるのか悩まれる方は多いです。このアプリを作る前にアンケートをとったのですが、障がいを伝えた結果、拒絶されたりとか、うまくいかなくなってしまったりした経験がある方が結構いらっしゃったんです。
だったら、障がいを打ち明けるハードルがそもそもないアプリを作ろうと思って、できたのがこのアプリです。
――私(筆者)も婚活の相談を受ける中で「タイミング」の相談をされることがあります。例えば離婚経験者の方が、離婚していることを相手に打ち明けるタイミングなどです。その点、「離婚経験者向けのアプリ」を使うと離婚に対して理解があるユーザーが集まっているので、伝えるタイミングを気にせずに利用できます。
――障がいのある方が結婚を意識した時に、課題になることはありますか?
結城:現実的なところだと、年収がハードルになっている面はあると思います。年収が200万円以下の方も結構いらっしゃって、国からもらえる公的年金を考慮したとしても、誰かを養うとなると難しい場合が多いですね。
――障がいの種類や程度によっては働くことも困難な方もいらっしゃると思うので、難しい問題ですね。では、障がいを持っている方はこのアプリ以外だと、どのような出会いの場があるのでしょうか?
結城:障がい者同士の婚活パーティーですとか、有名どころのマッチングアプリを使っている方もいますね。
中西さん(以下、中西):ユーザーさんの中には、有名どころのマッチングアプリを使ってもなかなか出会えなくてIRODORIを使い始めたという方もいますね。マッチしても、障がいがあることを打ち明けたら連絡が来なくなってしまうという人も多くて、やはり障がいを打ち明けるハードルが高いと感じる人は少なくないようです。
悩みを抱えた人が、人生を好転させるようなサービス
通常のマッチングアプリでうまくいかないことも

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