父の不倫相手にテレサ・テン「愛人」を歌う小学生女児、その切ない理由とは?
そこで繰り出されるのが、驚異のコミュ力と話芸である(もはやサバイバル能力といっていいかもしれない)。
おいしいものを手に入れる手段はないか……。
小学生だった美緒さんが目をつけたのは、昼間から酔っ払いがたむろする、競輪場周辺の飲み屋街だ。
「酔っぱらっているおっちゃんたちの話に入っていってなあ、ネタを披露してウケをとるんですわ。盛り上がると『なんでも買うてやる!』ってなるから、すぐ近くの駄菓子屋に連れて行って。
駄菓子屋なんて、1000円もあれば豪遊できる。そこで山ほど菓子を買うてもろて、ねえちゃんに持って帰ってました」
栄養不足から生まれる、驚異のたくましさ。昭和の時代とはいえ、強烈なエピソードである。
そしてさらに強烈なのは、おっちゃん相手に披露される美緒さんの鉄板ネタなのだが。
「お父ちゃんの愛人が、台湾出身のスナックのママだったんですよ。私もよく、お父ちゃんにその店に連れて行かれててなあ。
愛人のママを喜ばすために、私はカラオケでテレサ・テンとか歌うねん。ほら、台湾出身の歌手だから。小学生女児が『愛人』を歌うグロさ! 当然、意味なんてわかってませんでしたよ。でも、ママがそりゃ~もう喜ぶ。美緒ちゃん、お歌上手やなあぁ~~! 上手上手~!
……って話をすると、おっさんらが爆笑してくれてなあ」
駄菓子屋で豪遊!
十八番は、テレサ・テン

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