病院ですぐに調べられる糖尿病かどうかを診断する3つの検査

気づいたら「もうすでに糖尿病が始まっている!?」ってことにならないように、病院ですぐに調べられる糖尿病かどうかの検査を3つご紹介します。
①空腹時血糖値(10時間以上の絶食)
血糖とは血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)で、血糖値は血液中1dlの中にブドウ糖がどれくらい含まれているかを表す数字です。
・正常 70~90mg/dl
・少し高め 100mg/dlを超える
・境界型 110mg/dl以上(糖尿病予備軍)
・糖尿病 126mg/dlを超える
また、食事とは無関係に時間を決めずに測定した「随時血糖値」が200mg/dl以上だと糖尿病と診断されます。
②ヘモグロビンA1c:1~2か月間の血糖値を反映する血液検査値(単位:NGSP)
ヘモグロビンは、全身の細胞に酸素を運ぶ役割を果たしています。ヘモグロビンA1cは、ヘモグロビンと糖が結合している割合を示す数値です。
・正常 5.6%未満
・境界型 6.0~6.5%未満
・糖尿病型 6.5%以上
③尿アルブミン値
尿の中に漏れ出ているアルブミンというタンパク質を調べます。数値が高い人ほど、腎臓機能が落ちていることを示します。
・第1期(腎症前期) 30未満mg/gCr
・第2期(早期腎症期) 30~300mg/gCr
・第3期(顕性腎症期) 301mg/gCr以上(※かなり危険な状態。血液透析をすすめられることも)
尿アルブミン値は、糖尿病内科や腎臓内科の医療機関で検査可能です。糖尿病の患者さんであれば保険診療で検査でき、糖尿病以外の方は、自費診療でおこないます。
糖尿病の症状をチェック! 血清クレアチニンが正常値でも要注意
糖尿病は、初期の段階では自覚症状はほとんどないと牧田先生は言います。健康診断でも、空腹時血糖値の数値から「正常」と分類されることもよくあるそうです。
「健康診断の血液検査で「血清クレアチニン」を調べますが、正常値は男性1.09mg/dl以下、女性0.82mg/dl以下とされますが、注意する必要があるのは、クレアチニンが異常値の場合は腎不全という末期の状態だということです。
早期に発見し、人工血液透析を免れるためにはeGFR(推算糸球体濾過量)という検査が必要です。正常値は90以上です。8.00を超えたら透析の導入を検討されます」
糖尿病が発症してから、次のように進行していくという統計もあるといいます。
・発症から5~6年 神経障害(手足のしびれ、便秘・下痢、インポテンスなど)
・発症から7~10年 網膜症(視力障害、失明など)
・発症から約20年 53%が腎症を発症
<イラスト/原 あいみ>