――そういう意味でもリスタートなんですね。
黒沢:本当にそうなんです。もちろん日々家族の中で夫に助けてもらうことに対してもありがたいと思っているのですが、その中に引け目が一つもなくなっているという感じです。依存と引け目がなくなった。夫に対する依存と尊敬がごちゃ混ぜになって絡まっていたものが、ちゃんと離れている状態が今とても気持ちがいいんです。だから背筋が伸び、背筋が立っていることが自分でもよく分かるんです。
――2025年はどんな年にしたいですか?
黒沢:今自分がリスタートできているので、さらに学びの年にしたいです。25年間くらい子育てしていましたので、まだ見えてないところがたくさんあります。再スタートできてうれしいけれども、時代は移り変わっていますから、まだまだわたしが見えていないことっていっぱいあるだろうなと思っているので、引き続きちゃんと目を開いて、俳優として歩みを続けていきたいなと思います。
でも、本当の意味の解放って、要するに自分次第なんですけどね(笑)。そのことに自分自身で気づくかどうかが大事なことなのかなと体験として思っています。
<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、
インスタグラムにて写真レポートを行うことも。