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ピコ太郎が支援続ける小児がん。“プロデューサー”が明かす実情とは「本当はもっと国に助けてほしいけど……」

チャリティは贅沢品?「偽善者」との批判も

古坂大魔王さん――古坂さん自身も、チャリティ活動をしていることで批判されることはあるのですか? 古坂:SNSなどで「偽善じゃん」と叩かれますし、直接知っている方がそういうことをネットで書いていたこともありました。今は子どもを持つこと自体が贅沢だなんて言われますけど、チャリティもそう見られる節があります。良いことをしている人を見ると、懐に余裕があることを自慢しているように見えるんですね。飛び抜けている人をリスペクトしていかないといけないですけど、今の日本の状況をみていると、まだ難しいのかもしれません。 小児がんで亡くなったあいりちゃんのことをブログに書いたときも「親の許可をとっているのか」「偽善者だ」と批判を受けましたが、あいりちゃんのパパとママは「ぜひ書いてほしい」と言ってくださいました。意外かもしれないですが、「この子の人生を広げてほしい」と願っておられました。我が子の生きた証がほしいんですね。僕も子育てをするようになって、その気持ちがわかるようになりました。下の子は今4歳ですが、もし亡くなってしまったら思い描いていた未来が消えてしまう。だからといって「いなかったことにされたくない」と感じると思います。 「偽善だ」と批判されたら、僕はいつも「はい、偽善です」と言ってます。「自己満足以外に何がありますか?」と。そう言わないと、何も進まない気がしてるんです。批判なんて無視して、「それよりもどうしたらもっと小児がんのことを知ってもらえるのかな」って考えるようにしています。

募金を通して、子どもたちに関わる喜びを感じてほしい

古坂大魔王さん――一般人の私たちが小児がんの子どもたちを支援したい場合、何から始めればいいですか? 古坂:「子どもがいないから自分には関係ないや」と思う人ほど、関わってほしいです。子どもは贅沢品だなんて言われるけど、自分の子どもじゃなくたって子育てはできると思うんです。うちの子とよく遊んでくれてる後輩芸人は、うちの子の学芸会で号泣してました。関わったから、感動できるんですよ。誰の子どもであっても育児に携わることには意味があると思うし、「子どもを救っている」と思えたら生きがいになると思います。一番弱くて、助けを求めている存在を助けたほうがいいと思うんです。 まず何からすればいいかというと、募金です。募金はハードルが高いようなら、小児がんの啓発に関するイベントの投稿をシェアするだけでもいいと思います。でも、少し頑張って1000円とか1万円募金してみると、「あのお金どうなったんだろう」と関心を持つようになります。携帯代に使うよりも、こちらのほうが僕は楽しいと思う。じゃあ10万円募金したらどうなるかというと、10万円分、「頑張れ!」という気持ちになります。 ――今後は、小児がん患者の支援のためにどんな活動をしていきたいですか? 古坂:世界的な有名人とコラボして、エイベックスが支援している小児がん治療支援チャリティーライブ「LIVE EMPOWER CHILDREN」を有名にしていきたいですね。それこそ、ジャスティン・ビーバーさんとか、トランプさんとやれたら最高です(笑)。 今でもメンツは半端ないですけど、もっともっと注目を集めて皆さんにお金を注ぎ込んでもらってフェスを大きくしていかないと。アフリカの飢餓と貧困の救済のために作曲された「We Are The World」みたいに大きく広げていきたいです。ピコ太郎だけじゃできないですが、みんなで頑張って、少しでも力になれたらいいなと思います。 <取材・文/都田ミツコ 撮影/鈴木大喜>
都田ミツコ
ライター、編集者。1982年生まれ。編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。主に子育て、教育、女性のキャリア、などをテーマに企業や専門家、著名人インタビューを行う。「日経xwoman」「女子SPA!」「東洋経済オンライン」などで執筆。
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