
接客業。それは他人様と直に関わる仕事。スポット勤務が多く、一期一会になりがちな試食販売とはいえ、一日、いいえ一瞬でも恋に落ちるのが人間というもの。まぼさんにも出会いがありました。
「派遣先で個人的に連絡交換してはいけない」という規則を破って、いい感じの男性とマッチング。お金ついでに彼氏候補もゲットという、一石二鳥をねらったのです。
“いかなる誘惑にも屈せず、粛々(しゅくしゅく)と働くのみ!すべてはお金のため!”こんなスローガンも、目の前にぶらさがる色恋にはかないません。
私達の欲はオールジャンルに対応、女なら恋愛して当然だろ?と自らの行動を正当化してみても、やはり罪はバレてしまいます。
派遣会社にいづらくなったまぼさんは、もやもやした思いを抱えて、次なるバイトを探しに出るのです。
縁は異なもの味なもの。まぼさんの次なるバイトは、おそば屋さん。この店長がまた独特で、なんと「腰をバイトに叩かせる」のです。
プレイではなく、れっきとしたバイトの役割。そば打ちで凝ってかたくなった腰をほぐすためで、まぼさんもその伝統(?)をしっかり受け継ぎました。
今日もまぼさんは、店長の腰を力いっぱい瓶で叩きまくります。「もっと!」と要求されれば、店長の腰を足で踏みまくります。
これもバイトだから!と肝に銘じればこわくはありません。世の中、さまざまな人がいて、人に揉まれて大人になるのです。
変…、いえ少々個性的な店長ですが、店長の打つおそばは絶品ですし、時給もよく、ちょいちょいパフェをごちそうしてくれたり(スイーツ好き店長に付き合わされる)居心地はよかったといいます。
個人的に、このおそば屋さんに行きたくなりました。