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59歳と63歳、大物俳優2人のラブコメに「共感しかない」理由。年齢を重ねた“面倒な大人たち”が愛しい

 人生に欠かせないドラマ。4月14日から放送される『続・続・最後から二番目の恋』(フジテレビ系、月曜よる9時~)は、まさにそんなシリーズではないでしょうか。
『続・続・最後から二番目の恋』

フジテレビ系ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』(画像:公式サイトより)

 2012年1月に第1期の連続ドラマ『最後から二番目の恋』、同年11月にスペシャル版『最後から二番目の恋2012秋』、そして2014年に第2期となる『続・最後から二番目の恋』が放送されました。初放送から13年が経ってもなお、本シリーズを「最高傑作!」と絶賛する人は多く、アラフォー筆者の周囲も続編のニュースで大いに盛り上がりました。間違いなく私たちはこのドラマを欲していたのです。  そこで今回、本シリーズが長きにわたり私たちの心をつかんで離さない理由を分析してみました。

ファンでも初視聴でも楽しめる、大人の会話群像劇

 本シリーズは、古都・鎌倉を舞台に小泉今日子演じるテレビ局プロデューサー・吉野千明と中井貴一演じる鎌倉市役所で働く公務員・長倉和平の恋を描いたロマンチック&ホームコメディ。物語は鎌倉に暮らす長倉家の隣へ、独身生活に一抹の淋しさを感じた千明が引っ越してくるところからはじまりました。  長倉家は長男・和平、長女・典子(飯島直子)、次女・万理子(内田有紀)、次男・真平(坂口憲二)の4人兄弟で、千明はそれぞれとさまざまに関係を深めていきます。特に和平とは顔を合わせれば喧嘩ばかりですが、なぜかウマが合う。そんなふたりを中心とした、登場人物たちの「軽妙な会話劇」が本作の真骨頂です。  千明と和平のように思っていることや思いのたけをぶつけ合えたらどんなにいいだろうかと、羨ましくなるほどに。脚本家・岡田惠和氏の手腕により、設定や背景を知らずとも、会話を聞いていたら自然と状況が理解できるので、途中から観ても十分に楽しめる作品です。

「愛らしく面倒な大人たち」に共感しかない

 登場人物たちの解像度が著しく高いことも、本シリーズの魅力。例えば千明はドラマ制作が大好きな敏腕プロデューサーで、職場では姉御肌の“みんなの上司”。一方で、淋しがり屋だったり、負けず嫌いの毒舌家だったり、恋する相手には素直に甘えられなかったり。完璧なキャリアウーマンとして描かれていないところも好感がもてます。
『最後から二番目の恋』DVD-BOX(ポニーキャニオン)

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 和平も公務員として真面目で誠実な上司ですが、家族の前では何かと理屈っぽく説教臭い。優柔不断な面もあり、そのせいか未亡人にばかりモテる女難体質でもあります。ベテラン俳優の小泉・中井がその多面性と深みをチャーミングに表現しており、惹きつけられる。「あるある」と共感したり、「さすが!」と感心したり、「そうすればいいのか」と学んだり。とても魅力的な存在です。  ふたりの家族や友人、職場の人たち一人ひとりのキャラクターもしっかり練られています。恋愛ドラマに登場しがちな、当て馬的キャラもご都合的キャラも存在しません。回を重ねるごとに、それぞれの人間性が色濃く映し出され、どんどん愛おしく思えてくるのです。本シリーズファンの方は、それぞれに“推しキャラ”がいるのではないでしょうか?
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完璧ではない私たちに響く、珠玉の名台詞
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