朝ドラ『あんぱん』実在のモデル、やなせたかしさんとは再婚!ドラマと違う“なれそめ”とは
2025年3月末から始まった、連続テレビ小説『あんぱん』。『アンパンマン』の作者・やなせたかしさんとその妻の暢(のぶ)さんをモデルにしたドラマです。
今まで『虎に翼』『ブギウギ』『らんまん』などなど、実際にいた著名人をモデルにした朝ドラを好んで観続けている筆者は、今回の『あんぱん』も毎朝楽しみにしながら観ています。
モデルがいると、ついつい先が気になり史実を調べて比較してしまうのですが、朝ドラはあくまでフィクション。史実を元にしながら、作品としてドラマティックになるよう描かれるものです。
『あんぱん』も、実はモデルになった人々の人生とはだいぶ設定から異なっています。そこで今回は、『あんぱん』の主人公、今田美桜さん演じるのぶさんに注目して、史実との違いと今後の展開を予想してみました。
主人公の「朝田のぶ」は、やなせたかしさんの妻・暢(のぶ)さん(出生時は池田、のちに小松を経て柳瀬)がモデル。『あんぱん』では、やなせたかしさんをモデルとした「柳井 嵩」と幼なじみという設定になっています。
しかし、現実では2人が出会うのは20代後半。暢さんは大阪で生まれ、やなせさんより1つ年上です。すでに、設定の段階でモデルの人々とは全く異なっていたのですね!
とはいえ、暢さんは高知市の女学校の名簿に名前が残っているそうで、父の出身地である高知に暮らしていた時期もあるよう。ひょっとしたら、2人はどこかですれ違ったことがあったかもと思うと、ちょっぴりドラマティックですよね。
今の段階で、のぶと嵩の間柄は幼なじみであり、それ以上の関係ではなさそう(嵩は暢に対して思いがありそうですが…)。では、今後どのような流れで結ばれ、結婚するのでしょうか。
実は現実では、暢さんはやなせさんと結婚する前に他の男性と結婚していました。つまり、やなせさんとは再婚なんですね。
暢さんの前夫は、高知出身の6歳年上の小松総一郎さんで、暢さんが20歳の時に結婚しました。総一郎さんは暢さんにライカのカメラをプレゼントしたり、速記の習得をサポートしたりなど、なかなか先進的な男性だったよう。しかし、戦時中に一等機関士として招集された際、船上で病気になってしまい、高知に戻って療養したものの、3年で亡くなっています。
ただ、最愛の夫と死別した暢さんは、夫を亡くしてからわずか8日後、高知新聞に掲載された記者募集の記事に応募! 見事合格して入社したその高知新聞社で、3か月後にやなせさんと出会います。
ちなみに、やなせさんも戦争で招集され、中国に出兵していましたが、なんとか無事に復員。高知で廃品回収の仕事をしながら進駐軍の兵舎にあった雑誌を見るうちに、父と同じ新聞記者の仕事をしたいと高知新聞社に入社しました。
史実に沿うとなると、『あんぱん』でも、のぶは嵩と結ばれる前に他の男性と結婚する流れになるのかもしれません。すでにのぶは女子師範学校の寮に入ったので、嵩とは環境が離れ始めています。このままそれぞれの道へと進んでいくと考えると、先にのぶが結婚してしまう可能性は十分ありえますよね。

『連続テレビ小説 あんぱん Part1 (1) (NHKドラマ・ガイド) 』(NHK出版)
モデルの人生では設定から違っていた!
やなせたかしさんとは前夫との死別後に出会う
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