
私はそれに引っ張られるようなかたちで派手にすってんころりん。何とかリードは手放すまいと必死に掴んだものの、完全に油断していた私は、まるでイカやタコのペラペラの干物が風にフラフラとなびくが如く、軽々と27kgの愛犬に引きずられてしまったのでした。
その時にちょうど半袖だった私は、腕から派手に流血。アラフォーにしてなかなかわんぱくな怪我をしてしまった始末。家に帰って見てみると、腰にも擦り傷が。
こりゃ本当やっちまったなとひとしきり反省していたわけですが、今になって思うのは、この派手な引きずられ方、下手したら、ボトムスが完全に脱げていた可能性も捨てきれなかったという恐怖。はい、おズボンですね、脱げなくてよかったよ。
この日、私はたまたま腰紐をしっかりと結ぶタイプのイージーパンツを履いていました。
実は脱ぎ着が非常にしにくいので、あまり好きではないのです。お手洗いに行くたびに非常に面倒。だからいっそ、そのうち手放そうかなんて考えていたくらいのもの。
いやいや、その脱ぎにくさが功を奏したかたちになりました。実はつい最近、私が中学時代に履いていた水色のジャージをタンスの中から発掘し、その楽ちんぶりから、それを履いては寝て、そのままお散歩に行き、という日が頻繁につづいていました。
そのジャージ、腰紐が完全になくなっており、超絶ゆるゆる。ちょっとの刺激であればすぐに丸ごとポロリするくらいの、そんなジャージを普段私は愛用していたわけです。
万が一私がそのジャージを履いてこの公園に来ていたら……考えただけで恐ろしく、これは確実に大衆の面前ですべてが“こんにちは”するところだったと戦慄いたしました。
むしろ流血で済んで本当によかったくらいですよ。
そもそも大型犬の飼い主として、ワンコそっちのけでお花の写真撮影に勤しんでいた自分に大きな責任があり、今回の件は一重に私の愛犬も悪くなければ、うちの愛犬に喧嘩を売ってきたワンちゃんも悪くない。これは完全に私の自己責任なわけです。
とにかくズボンが脱げなくて本当によかったということにつきます。
今日はちょっと良い話が書けそうかもと思った私でしたが、なんだかしょーもない話に帰結しそうです。皆様、腰紐は普段からきつめに締めましょう。そしてゆるっゆるのボトムスはむしろやめておきましょ。
いや、本当、まじめに危なかった。
<文/アンヌ遙香>
アンヌ遙香
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『
アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram:
@aromatherapyanne