“ギャンブラーな人生”『べらぼう』出演中の41歳俳優が語る、自分で仕事を決めないワケ
仕事の選択は、自分でジャッジすると可能性を狭めてしまう
――仕事についてもお聞かせください。独立されて約1年半が経ちましたが、スタンスに変化はありますか?
風間:よく聞かれるんですけど、全く変わっていないと思っています。役を託されて、その作品に向かって進んで行ったり、バラエティや情報番組に出たりと、やっていることが特に変わっていないからかもしれませんが。
――仕事の選択はご自身で?
風間:基本的に、自分で選択する感じではありません。スケジュールの都合でできないことはありますが、作品の内容で僕がジャッジしてしまうと、自分がやりたいものしかやらなくなる。
それだと未知の分野に挑戦できないし、仮に僕が「これは挑戦だ」と思っていたとしても、それは僕の許容範囲内での挑戦でしかありません。
――自分でジャッジすると可能性が狭まる。
風間:それ(自分で選択)は面白くないと考え、10年くらい前からそうしてきています。
もちろん今は僕がジャッジを求められますけど、一緒にやってくれる人たちに「どう思う?」と聞いて、周囲がいいと言うなら「じゃあ、やろう」と。自分で決めると、あまり良いことはないと思っています。
浮き草のように、ふわふわと流れていたい
――40代に入られましたが、今後の目標はありますか?
風間:延長になるかもしれませんが、僕は目標を立てるのが嫌いなんです。目標を立てると、そこに向かって進んでいきますよね。僕は人生のなかで、今日たまたま何かが起きて、それを繰り返して「気がついたら、ここに来ていた」というのを楽しみにしています。
行き先を決めずに進むことを繰り返していると、どこかのタイミングで振り返ったときに自分の道筋を見て「へ~」と思うことがある。それが一番かな。
――なるほど。
風間:浮き草のように流れていく感じ。芸能界だったり人の心に訴えかける仕事というのは、“実”がないものだと思っているので、そういう意味でふわふわしていたい。
「地に足つけてますね」みたいに言われたりするんですけど、この職業をやっている時点で、そんなことないはないですよね。結構、ギャンブラーな人生をやっていると思いますよ(笑)。
――最後に、『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』に関してもひと言いただけませんか?
風間:『べらぼう』は、僕もみなさんと同じく「おもしろいよね」と思って見ています。蔦重(横浜流星)にないものを鶴屋が持っているし、鶴屋にないものを蔦重が持っていると思うので、ふたりは相反すると感じます。
でも、その凸と凹がハマったら、最強に分かち合えるふたりになれるんじゃないかなと思いながら見ています。
<取材・文・撮影/望月ふみ>
(C) 「それでも俺は、妻としたい」製作委員会
『劇場版 それでも俺は、妻としたい』は全国公開中望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。@mochi_fumi


