
「振り返ると、そこには昔の知り合いがいたのです。あまり大声ではいえないのですが、結婚前にアルバイトをしていた都内のキャバクラ時代の後輩、マミでした。
私は当時、ナンバー入りしていたのですが、マミはあまり売れていなくてよく私のヘルプについてもらっていたんです。マミとは地元が同じで仲良くなったのですが、まさかこんなところで再会するとは思ってもみませんでした。
久々に会えて盛り上がっていると、『ママ~!』と、マミの元に子どもが駆け寄ってきました。それは、なんとハルクをいじめているという女の子だったのです」
なんと、ハルクくんをいじめていたのは美里さんのキャバクラ時代の後輩の娘だったのです。
「マミの娘が『ママのお友達?』と私のことを聞いてきました。そこでマミは『お友達だよ! ママのお友達の子と仲良くしてる?』と娘に聞いたんです。それを聞いた娘さんは何かを察したのか『う、うん! 仲良くしてるよ……』と言いました」
転園してきたばかりで、他の保護者の顔をほとんど知らなかった美里さん。しかし、マミさんとの知り合いだったということをきっかけに他のママを紹介してもらうことができたといいます。
その日をきっかけにハルクくんへのいじめは一切なくなりました。ハルクくんも今は元気に登園しているといいます。
美里さんはいじめのことをマミさんに伝えようと思いましたが、何か言ったせいで子ども同士のトラブルに発展して、またハルクくんが登園しづらくなるのも嫌だったので、黙っておくことにしたといいます。
美里さんの場合は、思わぬきっかけで解決しましたが、子ども同士のいじめやトラブルは園に相談するのが一般的。子どもの様子に違和感を抱いたら、信頼できる先生や園長になるべく早く伝えるようにしたほうがいいでしょう。
<文・取材/結城>
結城
ライター・社会取材系。子育てや家庭問題、現代の生きづらさなど、社会の現実に根ざしたテーマを取材し、読者に考えるきっかけを届ける記事を執筆。