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大河話題の12歳子役が魅せる“二面性”の演技─どの俳優の成長前とも繋がる“奇跡の顔立ち”

実際に起きた「でっちあげ」事件を三池崇史監督が描いた映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』が6月27日から公開されました。綾野剛さんや柴咲コウさんなど豪華キャストが集った本作は、公開後数日で既に高い評価を得ています。
映画『でっちあげ〜殺人教師と呼ばれた男』

画像:映画『でっちあげ〜殺人教師と呼ばれた男』公式HPより

そんな本作で物語のキーとなる児童役を演じている天才子役に注目が集まっています。

「殺人教師」と呼ばれた男の真実

映画『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』は2003年に福岡市の小学校で実際に起きた、教師による児童へのいじめと体罰が認定された事件を映画化。同事件を取材したジャーナリストの福田ますみさんによるルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』を元にしています。
でっちあげ (新潮文庫)

画像:『でっちあげ (新潮文庫) 』新潮社

凄惨な体罰やいじめを受けたとされる児童の母親(演:柴咲コウさん)から告発された小学校教師の薮下誠一(演:綾野剛さん)が、マスコミから「殺人教師」と呼ばれながらも自身の身の潔白を法廷で証明していくというストーリー。 当該児童や、「モンスターペアレント」とも呼ぶべきその両親、他の保護者、さらには校長や教頭、教育委員会、マスコミなど誰もが味方になってくれない中で、教師が冤罪を晴らそうと孤軍奮闘する姿に胸が痛みます。 この事件が実際に起きたという事実に人間の恐ろしさや身勝手さを感じずにはいられない作品となっています。

嘔吐と笑顔、二つの顔を持つ子役

裁判における母親の供述と教師の供述が噛み合わない中、どちらが真実を言っているのか双方の言い分を元にした回想シーンも織り交ぜながら物語が進む本作。
相反する視点が描かれる中で、当該児童の氷室拓翔役を演じた子役の三浦綺羅(みうらきら)さんの存在が、本作に緊張感やスリルを与えています。 氷室拓翔は母親の供述では教師から酷い体罰といじめ、さらには自殺強要までされたとされ、三浦さんの嘔吐や吐血などを伴ったり、PTSDにまで陥ったりする苦痛の演技や虚ろな表情には思わず見入ってしまうほど。 過激な暴力シーンもあることからPG-12指定にもなっており、バイオレンスの巨匠とも呼ばれる三池監督ならではの恐怖の描き方や劇中を流れる不穏な雰囲気はまさにジャパニーズホラーそのものです。 一方で教師の供述では学校生活を楽しむ元気で活発な児童とされ、三浦さんがどこにでもいる可愛らしい小学生の一面も見せてくれます。作品における構造や役の設定上、二面性のある演技を求められている三浦さん。 一筋縄ではいかない難しい役どころを見事に演じ切り、作品を見た観客からも「あの拓翔役を演じた子役が美しくて気になった!」「あの子どもにずっと『なんでだよ!』と思ってイライラしてたけど、加害者でもあり被害者でもあって、ムズムズ歯がゆい思いをさせられた」といった感想が寄せられています。
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“成長後”とつながる奇跡の顔立ち
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