悲しみと怒りで頭が混乱していた紗栄子さんは、Aくんと最後に話し合うことにしました。
「アパートに自分の物を取りに行かなきゃいけないので、その時に話すことにしました。『最後にちゃんと話して』とLINEしたら『わかった』とAくんも応じました」
アパートのテーブルに向かい合って座ると、Aくんが緊張してソワソワしているのがわかったと言います。冷静なトーンで、「いつから別れようと思ってたの?」と紗栄子さんが聞くと「…半年前くらいから」とAくん。「他に好きな人ができたの?」と聞くと「…違う」との答え。
「何が理由なのか知らなきゃ前に進めないから、『何が理由かハッキリ言って』と少し強めに言うと、しばらくしてAくんがポツポツ話し出しました」
Aくんの話した内容は「自分は経験が少ないから、このまま結婚はできない」というもの。そして「ひとりになって人生経験を積みたい」というものでした。

「つまり、“もう私には飽きたから、他の女性と付き合いたい”ってことなんです。ぶっちゃけ。呆れました」
「分かった。今までありがとう!」と言い、荷物を持ってアパートを出た紗栄子さん。ショックを受けていたため、どうやって帰ったか覚えていないと言います。
「彼の些細な変化をちゃんと気にしていたら、もう少し早く心の変化に気がつけたかもと思います。次はもう、“恋愛に飽きている”くらい経験豊富な男性と付き合いたいです」
<文/まなたろう>
まなたろう
多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きでコーヒーソムリエ資格取得。海外に12年ほど住んでいたため、英語はそこそこ堪能。