――結婚してよかったなと思うことはありますか?
藤田:吐き出し口ができたことですね。10代、20代前半のころは真っ黒なアイコンの裏アカウントに「もう無理」って投稿したりしてたんです。でも、今はリアルに頼れる相手ができたので、それがすごく嬉しいです。聞いてもらうだけで全然違います。精神的な支えができたのは、本当に大きいです。
――先ほどこれまでの10年を振り返ってもらいましたが、これからの10年はどうなりたいですか?
藤田:37歳になった自分がどうなっているのか、すごく楽しみです。基本的には変わらないと思うけど、ずっと働いていたいですね。今みたいな頻度じゃなくてもいいけど、働き続けて、自分を高めていきたいです。
今も自立してるけど、まだ子どもっぽいところもあるので。親に甘えたりもするし。これからは親を支えられるような、みんなを引っ張っていけるような女性になりたいです。
――お母様もそんなタイプの方なんですか?
藤田:はい。母は「ついてこい!」って感じの人なので、私もそんなふうになりたいです。憧れの人は誰かと聞かれたら、お母さんといつも答えていますね。
――本を読んで、読者にも何か感じてほしいことはありますか?
藤田:ときめきを取り戻してほしいです。コスメを買ったときに「これかわいいな」とか「これ使ったらどんな感じかな」ってワクワクする気持ち、自分と向き合って「もっと可愛くなりたい、きれいになりたい」って気持ち。それを思い出してほしいですね。
――歳を重ねると、ときめく瞬間って減りますもんね。
藤田:そうなんです。だから、自分に対してもう一度ときめく気持ちを持ってもらえたらいいなと思っています。
――ちなみに今回の本を出すにあたり、ご自身の垢抜け法の紹介のほかに、「世界をポジティブにしたい」という思いがあったそうですね。
藤田:そうですね。ちょうどいいタイミングだったんです。「世界をポジティブにしたい」はずっと思っていたことでもあったので。周りを見ていても、みんな比べ合ったりしているのが目に見えてわかる時期でしたし、自分自身が「垢抜けたな」と思えるタイミングとも重なっていて。
今の時代って特にSNSなどでは、どうしても人と比べてしまったり、悪いところを見つけて落とし合ったりする空気があるじゃないですか。でも、そうじゃなくて、誰かのいいところや変化を見つけて「それいいじゃん」「可愛いね」って、みんなで褒め合って高め合っていけたら、もっとハッピーな社会になるとわたしは思うんです。
この本には、そういう想いを込めました。みんなで「かわいいね」って言い合って、励まし合って、楽しく過ごしていきましょう!
<取材・文/トキタタカシ 撮影/塚本桃>
トキタタカシ
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、
インスタグラムにて写真レポートを行うことも。