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日本はパスポート保有率わずか17.5%…「若者の海外旅行離れ」3つの理由とは

若者が海外旅行に興味を持たなくなった3つの理由

二極化の背景

二極化の背景

 データを見ていて感じるのは、そもそも「海外旅行にあまり興味がない層」そのものが増えてきているということです。そしてその理由には、大きく3つの要素があるのではないかと思います。

1つ目は、世界情勢。

 特にコロナ禍の影響は大きかったと思います。数年間、物理的に海外との接点が閉ざされたことで、「海外=遠いもの・怖いもの」というイメージを持ってしまった人も少なくないのではないでしょうか。  かつては「いつか行ってみたい」と思えていた場所が、どこか不安やリスクと結びついてしまった。そんな感覚が残っている人も多いように感じます。

2つ目は、経済状況。

 これは前述のデータからも明らかですが、「海外旅行は高いもの」という認識が以前よりも強くなっている印象があります。円安の進行に加えて、現地の物価高(インフレ)も影響し、費用はさらにかさみます。  さらに、国内の生活費の上昇、奨学金返済など、日々の暮らしそのものが厳しい中で、「海外に行く余裕なんてないよ」という声が本当に多く聞かれます。

3つ目は、スマホテクノロジーの進化。

 特にSNSの発展により、海外の情報が“行かなくても手に入る時代”になったことも影響していると思います。InstagramやYouTubeを通じて、タイの屋台も、パリのカフェも、NYの街並みも、手のひらの中で見られる。便利な反面、「行かなくても行った気になってしまう」のが今の時代です。  リアルな体験への渇きが薄れつつある今、海外旅行そのものが「非日常」ではなくなっているのかもしれません。

ニューヨークで知った、自分の変化

大木優紀さん@NY とまあ、確かにデータを見てみると、「最近の若者は海外に行かなくなっている」という傾向は、はっきりと表れているように思います。でも、私はそんな「内向き」ともいえる方向性に、やっぱり寂しいなと思っている派でもあります。  というのも、私自身にとっての「海外旅行」は、単純に「旅行=娯楽」を超える意味のある体験だと思っているからです。  私自身の体験でいうと、ニューヨークという街がものすごく好きで、ここはもう、私にとっては人生の節目節目で何度もリピートしている場所でもあります。  私が初めてニューヨークに行ったのは、18歳のとき。大学生だった私は、ニューヨークに滞在している友人を訪ねて、初めてひとりで海を渡りました。  そのときは、英語もまともに話せなくて、正直、ニューヨークという街に完全に打ちのめされました。マンハッタンの目的地にたどり着くまで、気の遠くなるような時間がかかってしまいました。  ニューヨークって、誰にでも平等に冷たい街なんですよね。多民族都市なので英語が話せない人って多いんですが、そこを優しくサポートするようなカルチャーはなく、少しでもモタモタしていようものなら、「NEXT!」ってバッサリ。  でもその潔さ、スピード感、緊張感のある空気が、私は好きで、東京ではマジョリティの中でなんとなく生きていた自分が、まったく通用しない環境に投げ込まれたことで、視野がガラリと変わった気がしました。  それ以来、私は何度もニューヨークに通うようになり、ブロードウェイのエンタメを味わい、ショッピングを楽しみ、さまざまな表情のNYに出会ってきました。
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私が信じる“旅の価値”
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