「顔が美しくなっても内面は変わらない」宇垣美里が心臓を握りつぶされた衝撃の言葉
ラスト、あるセリフに心臓を握りつぶされる
顔と共に自分らしさそのものをも失いゆくその様を他人事のようには思えず、じわじわと追い詰められるような居心地の悪さを感じてしまうのは、私もまた“より良い自分”を夢見て勝手に諦め、挑戦しない自分を甘やかしてきた自覚があるからか。
結局、自分次第なんです、なんて。分かっているけど厳しすぎる。エドワードの行きつく先に打ちのめされ、ラストのオズワルドの言葉に心臓を握りつぶされながらも、これもまた映画を見る醍醐味なのだとどこか胸がすくような思いもした。
さすがA24、つくづく末恐ろしい。見る人はどうか、心の準備を。
●『顔を捨てた男』
配給/ハピネットファントム・スタジオ ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開中 © 2023 FACES OFF RIGHTS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
<文/宇垣美里>宇垣美里
’91年、兵庫県生まれ。同志社大学を卒業後、’14年にTBSに入社しアナウンサーとして活躍。’19年3月に退社した後はオスカープロモーションに所属し、テレビやCM出演のほか、執筆業も行うなど幅広く活躍している。
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