そんな同番組は、先週の放送でも「どこの地元にも名物おじさんいる説」が賛否両論を巻き起こして炎上している。この企画は、芸人が子どもの頃に地元で遭遇した名物おじさんを発表し、実際に現在の姿を追跡取材するというもの。

きしたかの 高野正成画像:株式会社TBSラジオ プレスリリースより(PRTIMES)
お笑いコンビ・きしたかのの高野正成は「カメラのフィルムケースにツバを入れてほしいと要求してくる人物」を紹介するなど、変わった人が多く登場した。このことに対しSNSで「ガチの不審者」「すごく不快」「笑うところある?」といった批判の声が投稿された。
さらに最近では、同サイトでも報じたが、6月18日に放送された企画「インディアンス改名ドッキリ」に対して批判的な声が挙がっている。
過去には企画で何度も炎上を起こし、2018年には芸人を拉致する企画の撮影で警察から厳重注意を受けたこともある『水曜日のダウンタウン』。テレビ業界でコンプライアンス重視が叫ばれるなか、なぜ『水曜日のダウンタウン』だけは執拗に攻めた企画を続けて炎上を起こしているのか?

画像:株式会社TVer プレスリリースより(PRTIMES)
他局のバラエティ番組制作スタッフが、巧妙に作られている『水曜日のダウンタウン』の構造を次のように解説してくれた。
「『水曜日のダウンタウン』ですが、放送開始当初は人気がなかったんです。そんな中、同番組の仕掛け人である藤井健太郎氏が、とにかく攻めた企画を続けたことで、いまの人気を確立した。それだけに、いまさらおとなしい企画にするのは難しい。
それに、今回のクロちゃんのドッキリもそうですが、物議を醸す企画は芸人も得をするようにしっかり練られている。クロちゃんは父親へ胸の内を涙ながらに明かしたことで好感度がアップしています。
そもそもクロちゃんは、この番組でスターになったわけで、芸人をひどい扱いしているようでスタッフには愛があります。出演者とスタッフとの絆があるからこそ、SNSで大炎上しても揺るがないで攻めた企画を毎週放送する仕組みができているのです。」
普通のテレビ番組ならSNSで一部の視聴者が騒げば放送内容を改めるが、『水曜日のダウンタウン』にその手法は通用しないようだ。これからも、賛否両論を巻き起こして炎上する企画を毎週放送することを期待したい。
<文/ゆるま小林>
ゆるま 小林
某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆