――「なんか見たことがある」と言われるリトルボブドッグのプロフィールを教えてください。
川中:1988年3月6日生まれのパワフルなダルメシアンで、スケートボードで移動しています。性格は単純明快でかなりのドジ。血液型はB型、身長は120cmで永遠の10歳です。ガールフレンドはプードルのチェリー。他にもボブの弟として育てられたアヒルのジーノ、ボブの大親友でブルドッグのアンクルブル、ボブを愛してやまないテナガザルのジミーなどがいます。
誕生のきっかけはクライアントからの依頼です。パジャマを作る取引先から「アメリカっぽいキャラクターはいないか」と問い合わせがあり、当時在職していたデザイナーが飼っていた犬をモチーフにして生み出したのが、このリトルボブドッグです。

「リトルボブドッグ」の元気ボブ。同じリトルボブドッグでも、複数のデザインがあります
――リトルボブドッグの名前を問う、7月13日のX(旧Twitter)での投稿がバズりましたよね。投稿を行った意図と、反応への感想をお聞かせください。
川中:タンスのゲン(公式)さん発の「久しぶりにお聞きします。『〇〇(自社製品)』」という名を、1度でも聞いたことがある方は、正直にいいねしてください」という構文がXの各社公式アカウントの間で流行りました。それに乗る形で、「初めて聞きます」とアレンジして、リトルボブドッグの名前を尋ねる投稿を行いました。
この投稿で、多くの方が「見たことはあるけど、名前は知らない」という共通認識をお持ちでいらっしゃることが可視化されました。当時の懐かしいグッズの画像や、それにまつわる思い出なども投稿していただき、盛り上がりを作れたのはすごくうれしかったですね。
おむつのデザインとして採用され、世代を超えた人気に
――中国では名前も知られています。どのような経緯で海を渡ったのでしょうか?
川中:当社が1991年に企業向けの展示会に出展した際に、台湾の企業がブースに立ち寄ってくださり、リトルボブドッグに一目ぼれしたことから台湾に渡りました。その後1994年に中国に渡り、すぐにおむつのデザインとして採用されました。そのおむつを履いていた赤ちゃんが成長し、年齢に合わせたグッズの需要が高まり、子ども服や靴などの商品が展開されるようになりました。
また日本のNHKにあたると言われている中国CCTVでアニメが放送されたり、専門店がオープンしたり、子どもを対象にしたアパレルブランドの大規模なモデルオーディションが実施されたりと、みるみるうちに人気者になりました。今でも子どもから大人まで幅広い層から支持されていて、子ども靴は毎年新しいデザインが出るほどです。
――いっぽうで国内回帰もしている印象です。
川中:おっしゃる通りです。2023年の年末に経営層が変わり、創業者から現在の社長に世代交代しました。リトルボブドッグをもう一度日本に広めることもそうですし、露出が減っていた「家庭科のドラゴン」のコラボレーションや自社グッズの販売などを積極的にしていく方針に転換しました。
また、Xの運用にも力を入れ、たびたび投稿が多くの方の目に止まり、おかげさまでよく「バズっている」と言われている状態になっています。それまで約600人だったフォロワーさんが、今では約1万9千近くに増え、日々温かく見守っていただいています。
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株式会社サンワード】
1988年に設立。大阪市に拠点を置き、リトルボブドッグその他オリジナルキャラクターの企画及び版権業務を行う他、セールスプロモーション事業を展開。X:
@sunward_info
<取材・文/増田洋子>