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“近所の姉ちゃん”あいみょんのタトゥーで波紋…なぜここまで? 騒がれる歌手とそうでない歌手の“明らかな違い”

良すぎる歌詞とのギャップ

 あいみょんの歌詞も関係している可能性が高い。あいみょんの楽曲は恋愛や日常を真っすぐかつ純粋に描いた歌詞が多いが、「歌詞の内容は本人の人柄や生き方を映している」という幻想を抱く人は珍しくない。あいみょんが作詞作曲を担っていることも手伝い、「あいみょん=ちょっと不器用なピュアな女性」という先入観を持たれたことが、反響の大きさにつながったように思う。
『ギター弾き語り あいみょん Songbook』

『ギター弾き語り あいみょん Songbook』(シンコーミュージック)

 また、ストーリー性のある小説・映画のような歌詞の楽曲も少なくない。楽曲を聴きながら、あいみょんを主人公にして、その情景を思い浮かべながら聴いていた人にとっては、「主人公にはタトゥーが入っている」という設定を追加する必要が生まれる。  夜中のクラブや田舎の銭湯が舞台の楽曲であれば、タトゥーキャラを登場させることは難しくない。しかし、先述した通り、何気ない日常や純愛物語を描写した楽曲が目立つため、脳内でイメージを馴染ませることは容易ではない。  親しみやすい楽曲だからこそ可能だった“楽しみ方”の難易度が上がったために、残念がっているファンもいそうだ。

ポップ=大衆向け? 凝り固まったイメージ

 曲調がポップであることが一番大きい気もする。ロック系やヒップホップ系のアーティストにタトゥーが入っていたとしても、大きな騒ぎにはならない。タトゥー発覚が騒動になったアーティストと言えば、優里やYOASOBI・Ayaseが挙げられるが、いずれもポップ寄りの曲調をしている。
『バンド・スコア あいみょん「瞬間的シックスセンス」』

『バンド・スコア あいみょん「瞬間的シックスセンス」』(シンコーミュージック)

 ポップソングは大衆向け、ロックやヒップホップはアングラ向けというイメージが、ポップソングを生業とするアーティストに品行方正を求める空気感を醸成し、タトゥーが発覚したときの大発狂につながっているのかもしれない。  とはいえ、あいみょんや優里が堂々とタトゥーを見せることで、ポップソングの凝り固まったイメージをほぐし、新しいポップソングが生まれることにもなるだろう。あいみょんをはじめ、タトゥーの入ったアーティストの今後の活躍に期待したい。 【関連記事】⇒26歳・元清純派アイドルの「小さなタトゥー」が波紋を呼んだワケ。“中途半端さ”が招いた賛否両論 <文/浅村サルディ>
浅村サルディ
芸能ネタ、炎上ネタが主食。好きなホルモンはマキシマム ザ ホルモン。
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