“衝撃ロボットダンス”で話題の53歳主婦。どんなにバズっても「収益化」しない理由
なんでもいつかは「笑い話」に
――ダンス界のインフルエンサーとして、現状にどれほど満足していますか?
屋代:ダンスのスキルを底上げしたい気持ちも強くて、自分の中では100パーセント中の30〜40パーセントぐらいですね。バズったとしても「技の繋ぎ方が悪かった」と反省しますし、失敗だった動画は見返して次に生かします。
カロリーメイトのWebCMでも、反省はありました。裏話ではありますけど、日頃からかかとを上げて生活しているからか、ふくらはぎがサッカー選手のようにパンパンで、衣装が入らなかったんです。スタイリストさんに迷惑をかけました(笑)。
――(笑)。この先も、踊り続ける覚悟なんでしょうか?
屋代:何をしたいとか、目標はないんです。自分が満足できることを、続けていくだけですね。小学校時代にムーンウォークをやりはじめて、10代、20代……と年齢も重ねてきましたけど、60歳を過ぎたら、体力が衰えたとしても杖をつきながら踊っていたいとは思います。毎日筋肉痛ですが、それでもやめられないし、日常すべてがトレーニングになっているのも、とにかく楽しいです。
――好きなことに没頭する人生には、憧れます。世の中には、子育てや仕事に奮闘して「自分の好きなことになかなか時間をさけない」と悶々としている女性も少なくないと思います。そんなみなさんへ、何かメッセージはありますか?
屋代:子育てで「自分の時間がない」と感じるのは、それだけ「やるべきことをやっている」ということの裏返しでもあると思うんです。私にも娘がいて、アレルギー持ちの上の子が幼い頃は、お世話するため寝不足になったりして、自分の時間を持てなかったし、時間があるなら「寝たい」と考える時期もありました。
でも、少しずつ手を離れるようになってからは、自分がある程度は放任されて育ったのもあり「本人に任せてみよう」となって、必要以上にかまうのをやめました。子育てのあいだはどうしてもお子さんを応援する側になってしまいますが、たまには、自分で自分を応援してもいいんです。なんでもいつかは「笑い話」になりますし、自分が「楽しい」と思えることを優先してほしいです。
<取材・文/カネコシュウヘイ 撮影/市村円香> 1
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