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「このままじゃダメになる」大ヒット連発の“60代漫画家”が明かす人気絶頂期の苦悩。20代で下した大決断は

犬友達をきっかけに広がった、ご近所との縁

――実際に逗子に住まれてどうですか? 折原:すごくいいですね。海も景色ももちろん素晴らしいんですけど、住んでいる方たちの雰囲気がすごく開放的なんですよ。逗子にいる方って、1年中Tシャツに短パンの人が多いんです(笑)。さすがに真冬は長袖とかも着ますけど、そういうオープンな空気感が、私には合っているんだと思います。 ――折原さんのSNSを拝見すると、ご近所の方ともとても仲良くされている印象です。 折原:引っ越してきた当初は、まったく知り合いがいない状態だったんです。でも、引っ越しと同時に飼ったゴールデンレトリバーのリキ丸のおかげで、少しずつ繋がりができていきました。 折原みとさんの愛犬散歩していると「最近引っ越してきたの?」って声をかけられて、そこから会話が始まるんです。さらにその方が別の方を紹介してくれて……という感じで、自然とご近所づきあいが広がっていきました。 ――移住後、生活スタイルは変わりましたか? 折原:すごく変わりました。以前は昼夜逆転の生活だったんですけど、今は早起きですし、毎日2回は犬の散歩に行ってます。東京にいた頃は運動もほとんどしていなかったんですけど、今は運動やお稽古ごともいろいろやっていて、体を動かす時間が増えました。 海もすぐそこなので、今みたいな季節は、海でシュノーケリングしたりしています。 歩いて10分くらいで、誰もいない岩場に行けるんですよ。海水浴場じゃなくて、小さな入り江みたいな場所で、一人で気ままに泳ぐんです(笑)。水もすごくきれいで魚もいるし、楽しいんですよ。 ――お仕事にも変化はありましたか? 折原:仕事のスタイルも、大きく変わりました。一日中ずっと仕事をしているということはなくなりました。やるときはやるけど、やらないときはやらない。メリハリをつけて働くようになりました。 書くものもかなり変化しています。昔は東京に住んでいたから、物語の舞台も自然と東京になることが多かったんですけど、今はほとんど湘南周辺が舞台になっています。 もちろん、昔からずっと書いているテーマ、「前向きに生きること」とか「命と向き合うこと」は変わっていないんです。でも、それにプラスして「自然との向き合い方」みたいな視点が入ることも増えてきましたね。

自分の勘に素直に従ってよかったと思えた

――執筆活動に趣味に、日々たくさんの活動をされていますが、そのバイタリティはどこから出てくるのでしょう? 折原:やはり、ある程度のタイミングで環境を変えたのはすごくよかったと思います。30代になって、もしあのままずっと東京にいたら、作品を書くことができなくなっていたかもしれません。メンタルか体のどちらかが壊れていたんじゃないかなと思います。それを事前に察知して、「このままじゃダメだ」と思ったんでしょうね。そういう自分の勘みたいなものに、素直に従ってよかったと思っています。 あとは、環境を変えたことで、自分の中に入ってくる経験や出来事が増えたので、「書きたい」ものがどんどん増えています。それが、創作活動やエネルギーの素になっています。 ======== 現在も逗子で充実した生活を送りながら、精力的に創作活動を続けている折原さん。自分の心と体の声に耳を傾け、「このままじゃダメになる」という直感を信じて環境を変える勇気。豊かに働き続けるためにとった大きな決断が、今もなお第一線を走り続ける折原さんの活力になっていました。
折原みとさんのインスタグラム

折原みとさん(@60life_mito)のインスタグラム

折原みと】 漫画家、小説家。エッセイ、詩集、お料理本、絵本、CDなど、様々なジャンルで活動中。湘南在住、愛犬はゴールデンレトリバーのハルちゃん。着物好きの和物フリーク。 防災士。野草料理研究家。湘南焚き火倶楽部会長。 Instagram:mito/60代バツなしおひとりさま(@60life_mito) <取材・文/大夏えい>
大夏えい
ライター、編集者。大手教育会社に入社後、子ども向け教材・雑誌の編集に携わる。独立後は子ども向け雑誌から大人向けコンテンツまで、幅広く制作。
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