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「結婚しないの?」質問責めにはもう飽きた!60代漫画家・折原みとが“バツなしおひとりさま”を名乗る理由

代表作『時の輝き』や『アナトゥール星伝』は100万部超えのベストセラーとなり、1985年のデビュー以来、小説家・漫画家として第一線で活躍を続けている折原みとさん。日常の思いを綴ったエッセイも多くの読者に支持されています。
漫画家・小説家の折原みとさん

漫画家・小説家の折原みとさん

最近では「mito ǀ60代バツなしおひとりさま(@60life_mito)」というアカウントでインスタグラムを開設。逗子から発信する楽しくおしゃれな日常が話題になっています。「自由でとても楽しい」という現在の暮らしについて、そして結婚観についてもお話を聞きました。 【前回記事】⇒「このままじゃダメになる」60代漫画家・折原みとが語る“人気絶頂期の苦悩”。東京を出て選んだ生き方とは
折原みとさんのインスタグラム

折原みとさん(@60life_mito)のインスタグラム

あえて「バツなしおひとりさま」と発信する理由

──ブログやインスタグラムで「バツなしおひとりさま」という表現を使われていますが、特別な意味があるのでしょうか? 折原みとさん(以下、折原):「おひとりさま」とひと口に言っても、「バツあり」と「バツなし」では、ニュアンスが違うと感じています。一度でも結婚したことがある人は周りにもたくさんいますが、一度も結婚したことがない人って、実は意外と少ないんです。だからこそ、「なんで結婚しないんだろう? 何か理由でもあるの?」とまわりからも思われがちで、実際に「なんで一度も結婚しないの?」とよく聞かれるんです。 ――そういう質問をする人は一定数いますよね……。
折原みとさん

画像:折原みとInstagramより(以下同じ)

折原:そうなんです。あまりに何度も聞かれるので、その質問にこたえるのも正直面倒で「ほっといてほしいな」って思ってしまうわけです(笑)。私は自分の意志で、好きでひとりでいるんだからって。そして何より、この生活がとても楽しいんです。 でも、バツなしおひとりさまがどんなに楽しく暮らしていても、世間はなかなかそれを理解してくれません。そう考えた時に、私と同じように「なんで一度も結婚しないの?」と何度も聞かれて、嫌な思いをしている人がたくさんいるだろうと思ったんです。だから、このへんで誰かがはっきりと「バツなしおひとりさまだけど、毎日楽しく生きてます!」って堂々と発信していいんじゃないかなと。私が発信することで、「自分は、これでいいんだ」って楽になる人がいるかもしれない。そういう思いで、SNSで「バツなしおひとりさま」の発信を始めました。

誰かと一緒にいることで、幸せを感じられる瞬間も

──折原さんは、結婚に対してどのような考えをお持ちですか? 折原:私は「結婚しない主義」ではないんです。結婚したいと思えるような相手がいれば結婚したいと思っていますし、そういう方がいなければ結婚しない。そんなスタンスです。 ただ、「女性が家のことをしなければいけない」とか「できるだけ一緒にいないといけない」といった、お互いを縛るような関係は、私には難しいですね。自分で働いて仕事もすごく楽しいですし、好きなことをして自由に生活しているのに、今更、何かを我慢してまで誰かと一緒にいる必要はないかなと考えています。 とはいえ、誰かと一緒にいることで、楽しいことや幸せを感じられる瞬間もありますよね。それはまったく否定しません。だから、お互いに楽しいことや幸せをシェアできる相手がいるなら、結婚という形も「あり」だなと思っています。
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「結婚しなきゃ」と強く思っていた40代
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