Human

「結婚しないの?」質問責めにはもう飽きた!60代漫画家・折原みとが“バツなしおひとりさま”を名乗る理由

「結婚しなきゃ」と強く思っていた40代

──結婚に対して、これまで気持ちの変化などはありましたか? 折原:ありましたね。30代後半くらいでしょうか、周りから「なんで結婚しないの?」ってたくさん聞かれたこともあって、「とりあえず一回は結婚したほうがいいのかな」と思っていた時期がありました。一度結婚すれば、周りから何も言われなくなるんじゃないかとも思ったんです。40代になると、さらにその思いが強くなりました。 ──何かきっかけがあったのですか? 折原みとさんと愛犬折原:飼っていた初代のゴールデンレトリバーのリキ丸が、40代の頃に亡くなったんです。13年間ずっと一緒にいた子でした。そのとき本当に悲しくて、一人で耐えるのが辛かったというのがあります。 その半年後に、リキ丸と遠い血縁にある「こりき」という2代目の犬を迎えたのですが、そのとき「こりきもゴールデンレトリバーで大きいから、歳をとってからの介護のためにも結婚しておいた方がいいのかもしれない」とか「この子を見送る時のことを考えて、結婚しておいた方がいいのかも」と思ったんです。辛い時に一緒に乗り越えてくれる相手が欲しいと思った。だから、40代は特に「結婚しなきゃ」と強く思っていましたね。

豊かな人間関係があれば、一人でも孤独ではない

――お一人で大きな悲しみを超えるのが難しいと感じたんですね。 折原:そうです。でも、それから12年経って、50代のときにこりきを見送ったとき、一人でも大丈夫だったんです。もちろん、とても辛かったです。でも、周りの人たちが本当にたくさん助けてくれたんです。近所の方もいるし、友達もいる。悲しみの中でも私は一人ではないというのが、心の支えになりました。そして、私自身もこりきと過ごした12年間の中で、悲しみと向き合う手段や気持ちを整理する術を身に着けていたんだと思います。 豊かな人間関係があれば、一人でも孤独ではない。そして、ちゃんと年を重ねていけば一人でもやっていけると思えるようになりました。
次のページ 
自分にとって何が大切かを改めて考えた
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ