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NHK『虎に翼』で強烈な印象残した20歳俳優が、新作ロケで実感した“朝ドラの影響力”「おばあちゃんたちが…」

あこがれの先輩は菅田将暉

山時聡真さん――山時さんは、さまざまな役柄を演じ分けてきたと思いますが、お芝居をしている時は、どういうことを大切に演じているのでしょうか? 山時:僕は少し感覚的に演じている部分があるのですが、今一番大切にしていることは、まず全体を見て自分がどの立ち位置にいなきゃいけないかなど、役の前後の感情を大切にしています。 撮影では順番が前後することがあるので、そのつながりを最近は強く意識しています。特に今回の『蔵のある街』は出演シーンも多かったので、つながりを意識しないと感情に矛盾が生まれてしまうこともありそうだなと、台本を何度も読み返しました。あとはセリフから引き出される表情を僕は大事にしています。 ――20歳になり、思うことはありますか? 山時:責任が出てきたなと感じます、未成年の頃、先輩に気を遣っていただいたことなどをすごく思い出して、今度は自分に後輩が出来た時にしてあげたいと思いますし、今は人との関わりを大切にしたいと思っている時期です。この映画もそうですが、つながりがやっぱり大切だなと思っていて、今はいろいろな方と出会い、話すことを心がけて生活しています。 ――素敵な先輩を強いて挙げるなら? 山時:菅田将暉さんです。後輩に服をくれる会みたいなものが一年に一回くらいのペースであって、後輩みんなで参加するのですが、そういったところも素晴らしいなと思います。いつか自分の後輩にもできたらと思います。 ――余談ですけど、菅田さんはちょうど20歳くらいの時に『共喰い』で日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞していますよね。 山時:『共喰い』の時の菅田さんは19歳だったと思います。実は僕もそのことは意識していて、自分と同じ年齢の時にあの作品をやっていることを考えると、良い意味でプレッシャーにもなります。事務所の先輩でもあり、あこがれでもあるので、自分もそういう道を目指さなくてはいけないなと。その道を通ってこれからも成長したいと思っています。

倉敷ロケでは朝ドラの影響力を感じた出来事も

山時聡真さん――ご自身も映画『君たちはどう生きるか』(2023)、ドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に◾️された」(23/NTV)、「民王R」(24/EX)など活躍が続いていて、その反響を肌で感じることがあるのではないですか? 山時:そうですね。ありがたいことに一昨年・去年あたりから「観ました!」と声をかけていただくことが増えました。『君たちはどう生きるか』と「最高の教師」が同じ時期に出た作品だったので、とくにその頃から街を歩いても声をかけていただくことが増えたと思います。 ――昨年は朝ドラ『虎に翼』にも出演され、短いながらも強烈な印象を残されました。 山時:それこそこの『蔵のある街』を撮影していた時に、倉敷のロケで街のおばあちゃんたちが「朝ドラ観たよ」と言ってくださって。その年齢層の方たちに気づかれることは東京ではほぼなかったので、朝ドラの影響力はすごいなと感じました。『虎に翼』の時はピタッとした髪型だったのですが、このロケでは下ろした感じでまったく違う髪型だったので、何人かの方に気づいていただいた時は驚いた思い出があります。 ――そういうみなさんの反応が増えて、思うことはありますか? 山時:誰かに観られているという意識は強くなりました。あとはみなさんに想いを届けられているというか、ドラマで救われたといってくださる方もたくさんいて、誰かの助けになれているのかなと感じています。特に今回の『蔵のある街』では、僕は倉敷の人間ではないので、なんとか倉敷の人になれるようにと、責任も感じていました。方言などに違和感を持ってほしくないと思っていたので。
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勇気や希望を感じ、持ち帰ってもらいたい
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