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朝ドラ『あんぱん』が一度も中だるみしなかった“納得の理由”。「1年間の撮影もずっと新鮮」制作統括が語る舞台裏

ドラマが中だるみしなかった最大の要因

 『あんぱん』では、津田だけではなく山寺宏一や戸田恵子など、声優が多く出演している。さらには、Mrs. GREEN APPLE(ミセス)の大森元貴といったミュージシャンも登場し、“他業種”で活躍するクリエイターが演じるケースが目立つ。倉崎氏は「いろいろなバックグラウンドを持つ人が集まって演技するからこそ、面白いものが生まれると思っています」と口にする。 NHK『あんぱん』「ただ、無理をして他ジャンルで活躍している人をキャスティングしているわけではありません。例えば、大森さんが演じたいせたくやは、作曲家・いずみたくさんをモデルにしていますが、いずみさんは生涯で1万5000曲以上を手がけ、大衆に受け入れられる楽曲を多く制作されています。まさに大森さんも多くの人を惹きつける楽曲を制作しており、大森さんが演じたからこそ、いせたくやという役に深みが生まれました」  役にリンクする部分がある“他業種”のクリエイターをキャスティングすることで、その役の奥行きが増し、より魅力的に映るのだろう。ただ、メリットは他にもありそうだ。 「大河ドラマもそうですが、朝ドラも同じようなメンバーで、同じようなセットで1年間撮影するため、否応なしに“中だるみ”が起きやすい。ただ、『あんぱん』ではそれはなかったです。いろいろなバックグラウンドを持つ人が各時代に登場するため、新鮮な気持ちで制作に臨めることも大きかったと思います」 ======== 『あんぱん』は悲しみを抱えながらも希望を見出す人々を通して、戦後を生き抜く力を提示してきた。そこに多彩なキャストが加わることで、単なる歴史の再現を超えたリアリティが生まれているのかもしれない。 <取材・文/望月悠木>
望月悠木
フリーライター。社会問題やエンタメ、グルメなど幅広い記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。X(旧Twitter):@mochizukiyuuki
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