迫る最終話…朝ドラ『あんぱん』で何度でも見返したい“傘の名場面”「ぎこちないが眼差しは熱く…」
八木信之介役のモデルはサンリオ創業者?
愛を確かめ合う場所と愛を温める傘の名場面
出会いの会話からして阿吽の呼吸だった八木と蘭子は明らかに恋仲になりつつある。果たして二人は結ばれるのかどうか。クライマックスに向かう本作後半部を見る大きな楽しみとして、この愛の創作エピソードは魅力的だ。
八木にとって蘭子は、本音をぶつけてくる相手であり、蘭子が書く宣伝文も会社の発展を手伝ってくれる。でもお互いに心を引かれていることを自認すると、何だかぎこちない関係性になる。第23週第112回、八木が蘭子のアパートを訪ねてくる場面。
八木が部屋を出ると外は雨。蘭子が傘を持ってくる。階段下、二人は同じ傘に入り、見つめ合う。ぎこちないが、互いの眼差しは熱い。この階段はのぶの妹・メイコ(原菜乃華)が夫になる辛島健太郎(高橋文哉)と愛を確かめ合った場所でもある。
見つめ合う八木と蘭子を写すカメラが俯瞰の位置に置かれ、二人が入る赤い傘を真上から捉える。その時間、約8秒もの持続。愛を育み、温めるこの名場面。夢のある創作場面だなと思った。
<文/加賀谷健> 1
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