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Netflix人気ドラマ”薬物中毒役”演じる51歳俳優が魅せる圧倒的存在感――製作側も重宝する“その凄さ”とは?

緊迫感の中に笑いを生む絶妙な“コメディリリーフ”

中でも最も「大倉孝二ここにあり」と視聴者を唸らせるのがコメディリリーフとしての立ち回りです。映画や演劇作品において緊迫した場面で緊張を和らげる役割をコメディリリーフと言いますが、本作では大倉さんがその役割を1人で担い、作品全体に絶妙なアクセントを加えています。
1002_大倉孝二さん②

画像:ソニー銀行株式会社 プレスリリースより(PRTIMES)

本作シーズン2では、コメディリリーフの役割は強いて言えば、関西弁のトランスジェンダーを演じた朝比奈彩さんが担っていたように思えます。ただシーズン2まではゲームに参加する主要キャストが全員20代から30代で、全体的に若々しい顔ぶれ。 そのため朝比奈さんの関西弁やツッコミなどは作品全体を雰囲気を和ませるというより、仲間内での会話劇の延長という印象が否めませんでした。 こうした中でシーズン3では、大倉さんがシリアスな場面でふざけたり、視聴者をクスっとさせる場面が多数見られます。大倉さんの絶妙な表情やセリフ回しはほどよく笑いを誘い、悲劇的で重苦しい雰囲気一辺倒になりがちなところに一瞬和ませてくれています。 コメディリリーフが過剰であったり俳優のスキルが不足していたりすると、作品の世界観を壊す可能性がありますが、シーズン3では彼の演技力によって絶妙なバランスが保たれています。その信頼は、まさに大倉さんの演技力と存在感を製作側が認めている証でしょう。

見映え・存在感・演技力…すべてが唯一無二のバイプレイヤー

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右が大倉孝二さん 画像:アクシスコンサルティング株式会社 プレスリリースより(PRTIMES)

さらに、187cmの身長を持つ大倉さんは、そのスタイルの良さから本作で走り回ったりアクションをこなしたりしても非常に映像映えしています。 笑いを提供しつつ、複数の登場人物が錯綜する中で進行上の重要な役割を担える、大柄で映像的にも見映えがあるという点で、大倉さんの存在感は唯一無二かもしれません。今後もこうしたデスゲームやゾンビ作品などでの大倉さんの活躍を期待させてくれるものでした。 「大倉孝二が薬物中毒者を演じる」と言うだけでも一見の価値がある『今際の国のアリス』シーズン3。実際に見てみると、役を演じる演技力だけでなく、作品の世界観やストーリー展開を支える名バイプレイヤーっぷりに驚かされるはずです。 <文/エタノール純子>
エタノール純子
編集プロダクション勤務を経てフリーライターに。エンタメ、女性にまつわる問題、育児などをテーマに、 各Webサイトで執筆中
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