
「今思うと、夫任せにした私の責任でもあるのですが……、夫が契約した軽自動車の色が、なんと真紫色だったんですよ! まさか紫色の車を契約してくるとは思ってもいませんでしたね」
夫は「契約前に相談しようかと思ったんだけど、真美が電話に出なかったんだ」と言ったそう。
実は台風が直撃したその日真美さんは、電車通勤しているスタッフの代わりに臨時でパートに入っていました。
しかし、なぜそんなに慌てて契約したのか真美さんが聞くと夫は、「ちょうど台風の日のセールをしていて、今日契約してくれたら20万円引きにしてくれるって言われたんだよ。しかも、この色ならさらに20万円引きでさ!」と嬉しそうに話したといいます。
夫には、家が白いから奇抜な色は避けようという発想自体がなかったようです。笑顔でそう話す夫に、真美さんは震えながら「契約キャンセルして」と告げました。
「そのあと、契約後でもキャンセルできるかディーラーに問い合わせしましたが、キャンセルはできないと言われてしまいました」
「車の色の希望を事前に共有していなかったのは反省しています。言わなくてもわかるでしょ? と勝手に夫に思っていたのかもしれませんね」と少し寂しそうな顔で真美さんは言います。
「友人が初めて家を訪ねてくるとき、『白い戸建てでルーフバルコニーがあるのが家だよ』と伝えるのですが、友人にはよく『紫の車が停めてあるって言ったほう早いよ」と言われてしまうんですよ。悲しすぎです」
真美さんは、「真っ白の自慢の家の主役を紫色の軽自動車に奪われてしまった」と嘆きます。
さらに、11歳の息子も「紫色の車なんて、恥ずかしくて乗りたくない」と乗車を拒否しているそう。
家族で一緒に過ごす貴重な時間が減っていくような気持ちにもなり、真美さんはさらに意気消沈したといいます。