そんなある日、山本くんがクライアントに重大な連絡ミスをしてしまいます。山本くんは謝罪などのリカバリー対応に追われて、落ち込んでいました。
「私にひとこと相談しなかった点は注意しましたが、山本くんの成長したい気持ちは伝わってきたので
『ほら、懐かしい気持ちになるでしょ? 元気出して』と干し柿を差し入れしたんですよ」

すると山本くんはとても感動した様子で『先輩は本当に優しいですね。
おばあちゃんに似ているとかじゃなくて、なんていうか“いつも帰りたくなる安心できる場所”みたいな感じで』と言ってきて……顔を赤らめて、明らかに照れている様子でした。
「あれ? おばあちゃんの雰囲気でほんわか励ましてあげようと思っていただけなのに、ちょっと様子が変わってきたぞ……どうしよう? なんて、こっちまで照れてきてしまって。しばらく2人でもじもじしてしまいましたね」
それから山本くんに「僕とも紅葉狩りに行ってくれませんか?」と誘われた舞子さん。初めて一緒に出かけた2人は、酒蔵見学をしたり、囲炉裏のあるお店で晩ご飯を食べたりと、渋いデートを楽しんだそう。
「そしたら山本くんが『先輩とのデートが最高に心地良すぎて、
もう他の女性となんてデートできない身体になっちゃいましたよ。責任とってくれませんか?』と告白してくれて。しょうがないので責任をとることにしたんですよ(笑)」
そうして交際をスタートさせた2人は、坐禅体験や、和菓子屋巡り、写経などを共にしながら、関係構築期をエンジョイしています。
「結局は私も山本くんもおばあちゃんみたいな趣味だったということで、とても仲良くやっています。最近はお茶専門のカフェに抹茶を飲みに行くことが私たちのブームなんですよ」と微笑む舞子さんなのでした。
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<文・イラスト/鈴木詩子>
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
@skippop